Chiの接待というのが紛らわしいので明確にするが、毎月鑑賞で慣れているChiの私に対する接待なのだ。
Chiが「ビールにする、グラスワインもあるしお酒も売ってるよ」と気を使ってくれたが、昼食に酒を付けたら気持ちよく寝てしまいそうなので 「かべすの客」を通すことにした。
「かべすの客」というのは出久根達郎氏のエッセイで知った。
「かべす」という言葉がある。劇場の隠語で、芝居を眺めながらの、もう一つの楽しみ、眼の法楽に、舌の慰み、菓子と弁当と鮨の頭文字である。江戸期の言葉のようで、当時は、「かべすの客」と言い、酒抜きの客、を侮って使ったらしい。
無粋な音をたてては迷惑になるのでさすがに『芝居を眺めながらの』という訳にはいかないが『もう一つの楽しみ』であることは間違いないようで、館内には食事処が「吉兆」をはじめ5店。正面玄関横には弁当売場「歌舞伎茶屋」があるし、扱う弁当は20種だという。
幕間には、見たところほとんどの観客が昼食をとっている。席にいない人は食事処かロビーで弁当だろうから100%に近い。11時開演というのが絶妙。他家を訪問する時は食事時を避けるのがたしなみだが、ここではなにしろ昼食の時間に囲い込まれている。それをよいことに、ご婦人方は昼食を「歌舞伎座での昼食」という「晴れ」に転じて謳歌しておられる。
ウエイトコントロールもカロリーも「晴れ」の場では通用しない。かくしてビール・酒・ワインも結構売れるし、アイスクリーム・焼きたて人形焼・実演のきんつば・豆大福が大人気となる。ここは婦人の縁日。非日常の異空間。晴れの場なのだ。楽しむべき時間なのだ。
歌舞伎座ではご婦人方もそうだが松竹の営業にとっても、昼食は結構なウエイトを占めているようだ。
下世話な話だが1890名×1,500円でも約283万円。
新築する新歌舞伎座もきっと食事処の数が多くなるぞ。
歌舞伎座のHP← も食事の案内は充実している。
ちなみに今回の「歌舞伎座接待」は桟敷席一人2万2千円と昼食&お土産を含めて一人あたり約3万円。ふーーっ。
興味はあるし、一度は行ってみたいけれど、チョッとオソロシイな~。 まあ、ブログ拝見して、行った気分で、ヨシとしようかな~。