2-445) 手に斧
2011年 03月 04日
先生「ジョージワシントンの父親は、ジョージ少年が桜の木を切り倒したとき、なぜ、許したのでしょう?」
生徒「少年がまだ手に斧を持っていたからです」
松田道夫『ジョークのたのしみ』・・・・・読売・編集手帳から引用
手直しに来ていたクロス屋のおにいちゃんから「仕上がりが気に入らないので、この面全部を貼り直させて下さい」と殊勝な申し出があった。
私が手に斧を持っていたからではない。
既に、はがし始めていたから私に考える余地はない。
作業は来週の水曜日9日。完成は延びるがやむを得ない。誤魔化されてしまうより何ぼか良い。
建具屋のオジサンは、前日持ち帰ってサイズ直しをしてきた例の折れ戸を、工場に作り直させると言い出した。
「これを納品するわけにはいかない」
私が手に斧を持っていたからではない。
吊った戸の一枚が「太鼓になっている」つまり、中央部が表へふくらんだ状態で飛び出していると言う。と言っても、3mm程度のことなのでOKと言いそうになったが、どうせ遅れているのだから、好きにしてくれ状態で「そうしてください」
最終盤で〝職人魂〟というと大げさだが〝職人の意地〟と言うか、いや、まだ大げさだな、〝職人の良心〟いや・・・・・・これが普通か。
普通をテーマに出来て何となく納得している。