思い起こしてみると東京には坂が多い。ということは高い土地と低い土地がある訳で、高いところは赤土の台地の上で登るは難儀だし、水も出ない。
一方、低いところは水に近く農耕に向いているし、舟運や漁獲も期待できる。
その暮らしやすいところから住み始め、土地に名前をつけた結果「谷」が多くなったのではないかと思う。
後から開発された郊外の新興住宅街に多くの「××ヶ丘」があるのは、谷の外の高台だからだ。
きっとそうだ。
ところで、
鶯谷・茗荷谷 以外の、渋谷・千駄ヶ谷・市谷・四谷・阿佐ヶ谷・世田谷・山谷・雑司ヶ谷は、ヤと読む。
『日本の地名・都市名 今尾恵介著 日本実業出版社』
関東地方で谷をタニと読む駅は、鶯谷(うぐいすだに)、茗荷谷(みょうがだに)小湧谷(こわきだに)の三駅だけ。その他の読み方として長谷(はせ)が一つ。48対3、圧倒的にヤであった。
関東の「沢」は主に山地にあり、丘陵地などの谷は「ヤ・ヤト・ヤツ」と読むことが多いようだ。しかし関西など西日本では谷という字をヤと読む例はあまりない。例えば東京では渋谷は「しぶや」でも関西では「しぶたに」のように読むことが多い。
ほほー。
確かに須磨 一の谷は〝イチノタニ〟だし、京都・鹿ヶ谷は〝シシガタニ〟だ。
おっ、鹿と書いてシシがここにも有った。
ところで、長谷川というのは、ハセガワなのだけど、どうして、長(は)谷(せ)と読むのだろう。
昔阿佐ヶ谷に住んでいた頃、「一寺一度」と良く聞きました。
冬になると都心からJR中央線で西に向い、寺の名前のつく
一駅毎に気温が一度づつ低くなるという話です。
高円寺、吉祥寺、国分寺、(西国分寺)、八王子(寺ではないが)
と低くなり、冬には都心で雨でも八王子は雪が降ることは
良くあります。