言葉

2-628) ヤ と タニ と セ

渋谷・千駄ヶ谷・市谷・四谷・阿佐ヶ谷・世田谷・山谷・雑司ヶ谷・鶯谷・茗荷谷など、東京には谷の付く地名が結構ある。
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思い起こしてみると東京には坂が多い。ということは高い土地と低い土地がある訳で、高いところは赤土の台地の上で登るは難儀だし、水も出ない。
一方、低いところは水に近く農耕に向いているし、舟運や漁獲も期待できる。
その暮らしやすいところから住み始め、土地に名前をつけた結果「谷」が多くなったのではないかと思う。

後から開発された郊外の新興住宅街に多くの「××ヶ丘」があるのは、谷の外の高台だからだ。
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きっとそうだ。

ところで、
鶯谷・茗荷谷 以外の、渋谷・千駄ヶ谷・市谷・四谷・阿佐ヶ谷・世田谷・山谷・雑司ヶ谷は、ヤと読む。
 

『日本の地名・都市名 今尾恵介著 日本実業出版社』
関東地方で谷をタニと読む駅は、鶯谷(うぐいすだに)、茗荷谷(みょうがだに)小湧谷(こわきだに)の三駅だけ。その他の読み方として長谷(はせ)が一つ。48対3、圧倒的にヤであった。
関東の「沢」は主に山地にあり、丘陵地などの谷は「ヤ・ヤト・ヤツ」と読むことが多いようだ。しかし関西など西日本では谷という字をヤと読む例はあまりない。例えば東京では渋谷は「しぶや」でも関西では「しぶたに」のように読むことが多い。

ほほー。

確かに須磨 一の谷は〝イチノタニ〟だし、京都・鹿ヶ谷は〝シシガタニ〟だ。
おっ、鹿と書いてシシがここにも有った。

ところで、長谷川というのは、ハセガワなのだけど、どうして、長(は)谷(せ)と読むのだろう。
Commented by sugi (代理) at 2011-10-26 15:56 x
今日のブログで東京の谷のこと、興味深く読みました。

昔阿佐ヶ谷に住んでいた頃、「一寺一度」と良く聞きました。
冬になると都心からJR中央線で西に向い、寺の名前のつく
一駅毎に気温が一度づつ低くなるという話です。

高円寺、吉祥寺、国分寺、(西国分寺)、八王子(寺ではないが)
と低くなり、冬には都心で雨でも八王子は雪が降ることは
良くあります。
Commented by アルチュハイマー at 2011-10-27 13:16 x
実家の近くの大井町線自由が丘駅が載っていますが、郊外の新興住宅地もどんどん外に拡がっていき、その名も「~野⇒~丘⇒~台」という具合に時代の流れとともに変わっているんですよね。
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by ikuohasegawa | 2011-10-26 05:57 | 言葉 | Comments(2)

十や十五連休なんて目ではない。三百六十五連休が始まった私。


by ikuohasegawa