言葉

2-646) 姑息

文化庁は9月15日、「平成22年度国語に関する世論調査」の結果について発表した。
(1)「情けは人のためならず」
(2)「雨模様」
(3)「姑息」
(4)「すべからく」
(5)「号泣する」の5つの言葉について、それぞれどの意味で使っているか尋ねた。いずれも辞書などに記載される本来の意味で使っている人は半数に満たず、とくに(3)「姑息」については、「『ひきょうな』という意味」との回答が7割を超え、本来の「『一時しのぎ』という意味」を選択した人は15%に留まっている。
さらに、「間が持てない」「寸暇を惜しんで」「声を荒(あら)らげる」などの慣用句についても、それぞれが本来の言い方ではない「間が持たない」「寸暇を惜しまず」「声を荒(あ)らげる」を使うと回答する人の割合が大きく上回った。

普段から言葉の話題を多用する私としては、「すべからく」正解すべきだ。
(微妙な使い方なので念のため記すが、当然正解するの意で、全て正解の意ではない)
自信満々で回答を出したら「姑息」が誤っていた。
『ひきょうな』とは少し違う感じだが、絶対に一時しのぎではないと思ったので『ひきょうな』を選んだ。
時代小説などで「この虚け者めが、姑息な手段を用いおって」とか言うじゃないかとも思った。
2-646) 姑息_d0092767_922035.jpg

『一時しのぎ』という意味だとなると
〝台風で穴が開いた時、夫はガムテープを貼るという姑息な対応をしていた〟
この用例で誤りではない。しかし、なんだか、もっとシッカリ対応しろと非難されているような気配やトゲを感じてしまう。一旦染み付いた〝良くないという語感〟は簡単には変えられないものだと思った。

ちょっと待てよ【一時しのぎ】 自体がその場だけをとりつくろってすますことだから、その後本格的な補修をしない夫は非難されても仕方がない。姑息には非難やトゲが付帯していることに変わりはないようだ。

自分が多数回答に入っているので、何だか多数決で圧倒的に勝ったのに否決されたような気がしていたが、少し近づいてきたので認めることにした。
そういえば、「この虚け者めが、姑息な手段を用いおって」は「この虚け者めが、小癪な手段を用いおって」の記憶違いだったかもしれない。

それにしても姑(しゅうとめ)の息(いき)でどうして、一時しのぎなのだろう。
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by ikuohasegawa | 2011-11-21 05:00 | 言葉 | Comments(0)

十や十五連休なんて目ではない。三百六十五連休が始まった私。


by ikuohasegawa