読書

2-653) 腰 巻

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販売促進の為に巻かれた緑色の紙は、それまでは単に帯と言っていたようだ。ところが、雑誌『面白半分』が「日本腰巻文学大賞」を創設した時から、業界用語の〝腰巻〟が一般に流れ込んだ。本の下半身に巻かれるから〝腰巻〟だと。

その第一回目の大賞作品が山口瞳の「酒呑みの自己弁護」である。
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栄えある受賞者は新潮社の編集者。その記念すべき上製本は持っていないし、写真では文字が読めないが、腰巻の文面は文庫本でも読むことができる。
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私の文庫本「酒呑みの自己弁護」は仕立てなおしてある。
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出版社は文庫本化する時には腰巻までは再現しないので、かの腰巻はしていない。したがって仕立て直す時も「愛いやつじゃ」と腰巻を剥ぎ取り「殿、ご無体な」という展開にはならない。新しい衣装をまとわせ上製本として大切に保存している。

その文庫本の解説で青木雨彦氏が受賞作を紹介している。
「酒呑みの自己弁護」の腰巻
月曜 一日 
会社へ行って
火曜日 夜更けに
九連宝燈
水曜 一晩 
小説書いて
木曜 三時の 
四間飛車
金曜 日暮れに 
庭木をいじり
土曜日 たそがれ 
馬券の吹雪
日曜 朝から 
愛妻家

月月火水木金々
酒を呑みます

サケなくて
何で己が 桜かな
Commented by アルチュハイマー at 2014-05-11 18:23 x
ご無沙汰してます。実は私、山口瞳作品の舞台背景を知りたくて、氏のお宅を訪ねるのが長年の夢でした。勿論、外から眺めるだけで、呼鈴を鳴らすわけではありません。が、何回も国立を訪れても探し出すことができませんでした。(同じ国立市の住人である山口百恵さん宅はわかったのですが・・・。)ところが、昨日、谷保駅近くの交番で住宅地図を借りて、山口姓のお宅をあてずっぽうに訪ねたら、何とドンピシャでした。本で読んで想像していたものより、建物も庭もこじんまりした印象でしたが、感慨深いものがありました。表札は、今もって「山口瞳」とあります。
Commented by ikuohasegawa at 2014-05-12 06:08
そうですか。いよいよ無罪放免ですか。

山口瞳邸訪問については車中で伺っていましたが、念願叶ってようございました。
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by ikuohasegawa | 2011-11-28 05:00 | 読書 | Comments(2)

十や十五連休なんて目ではない。三百六十五連休が始まった私。


by ikuohasegawa