テープで繕ってはあるが『地側』から見るとノドがずれたまま接着されていて、少々厄介な状況になっている。
傾いたまま貼り付けられている頁があり、はみ出した部分が痛んでいる。
ドライヤーで温めながらテープを剥がしていくと、下から折れたままの頁が出てきた。
どうして、こんなことになるのだ。
テープは市販のメンディングテープ(30mm幅)なので、借り出した市民の補修のようだ。
たしかにmending は修繕なのだけど、紙や書類の破れを繕うもので本の修繕には使ってはいけない。ドライヤーで温めながらテープを剥がしていく。
同様な処理を何箇所かで繰り返し本文を綺麗にした。
次いで①表紙と本文をばらし
②本文の背から以前の修理で使われたと思われる、ボンドの厚い層を剥がしてキレイにし、
③その後、背にノコギリで切れ目を入れて、
④タコ糸を埋め込み製本ボンドB-1で固める。
⑤背に寒冷紗テープを貼り、
⑥更に、本の開きをよくする為にクラフト紙の筒を背に貼る。
⑦表紙と本体を合体させ、修理完了。
「命の恩人です。」と本が言っているのが聞こえます。
どのくらいの時間で修理できたのでしょうか。