製本&修理:スキル

2- 734) 相欠き接ぎ(背の天の破損)

絶版になっていて再購入できないという意味で貴重な一冊が修理に回ってきた。
症状としては、背の天地、特に天の破損がひどい。欠落している。
ここに指をかけて取り出す子供がいるからなー。
2- 734) 相欠き接ぎ(背の天の破損)_d0092767_1892169.jpg

破損が大きければ背を全て取り替えることになるが、傷みは背の天のみであるから、背ボール紙を接ぐことにした。

①補強の為に貼ってあるテープの全てと、修理箇所より少し大きくブッカーをはがし、切り取る。
②作者名(キャスリーン・)ヘイル辺りまで切れ目を入れて(殆ど裂けていた)、紙(表面)をめくり起す。
③背ボールの欠けた端を切りそろえる。
④補うボール紙(厚さ2mm)を準備する。
⑤相欠き状態(接合部は10mm)にカットし、接ぐ。
2- 734) 相欠き接ぎ(背の天の破損)_d0092767_18195563.jpg

今回の場合は厚みが2mmなので、補う方は2mmのものを半欠きしてもよいし、1mmのボール紙2枚をずらして貼り合わせてもできる。
いずれにしても、相欠き接ぎをする。
2- 734) 相欠き接ぎ(背の天の破損)_d0092767_1902762.jpg

⑥寒冷紗で補強する(サイズ:天地方向は天からめくってあるところまで。小口方向は10mm+背幅+10mm)
⑦背からはみ出した左右10mmの寒冷紗は、表紙のボール紙を左右に分けてその中へ貼りこむ。
2- 734) 相欠き接ぎ(背の天の破損)_d0092767_1820987.jpg

ボール紙は層になっているから、それほど難しいことではない。ながめていてひねり出した案だから、もっと良い手があれば、教授願いたい。

同色の紙を貼って、ブッカーで補強し終了。
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by ikuohasegawa | 2012-02-19 05:00 | 製本&修理:スキル | Comments(0)

十や十五連休なんて目ではない。三百六十五連休が始まった私。


by ikuohasegawa