見たから特別どうということはないが、本を修理する人だけが見ることができる。 といっても糸綴じ本の場合だけで、折丁を揃えた後、接着してしまう接着製本だと背丁は目にすることはない。
【背丁】
製本工程で、乱丁や落丁を防ぐために、各折り丁の背の部分に刷り込んだ記号。書名と折丁の順序を示す番号が印刷されている。また一般的には、背丁と一緒に●■などの記号も刷り込まれている。これは「背標」とよばれるもので、折の並べ方が正しければ、●■などの記号がちょうど階段状に並ぶようになっている。
確かに階段状に並んでいる。
川島小鳥の写真集、未来ちゃんが修理に廻ってきた。
表紙を剥がしたら、背丁が出てきた。
正しい順に折丁を並べると〝川島小鳥 未来ちゃん〟と読めるように刷り込んだもので、こういう背標は初めて見た。作者&書名の背標というのは面白いと思う。
ところで、作者の川島小鳥氏の名を私は気にいっている。
川島君があだ名(小鳥に似ているから)を名乗っているのだそうだが、そこではなく、字面。
川と小、 島と鳥。字面の似た文字が並ぶのが面白い。少女の名も 未と来。
大川大三、平正平、大平太平、小川小三、藤井藤 とかね。三笑亭笑三は実在する。
そうそう、小三遊の師匠は三遊亭遊三だ。