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2-973) ノド割れの修復

 学校図書修理講座中級で「背が割れた本はどうやって治すのか」と質問を受けた。
 見返しは壊れていないのに、ノドだけが割れパックリしている本は時どき出てくる。
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 図書館の本なら、私は見返しを外して、背にノコを引きタコ糸で補修をするが、学校図書の場合そこまでしなくても良いような気もしているので、即答を避けた。

 数日考えた挙句、『なんだか、いけそうな気がする』方法にたどり着いて、手帳にポンチ絵を描いておいた。
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 思いつくと話したくなるもので、中級講座の1回目に板書して公開してしまった。思いつきだけで試していない。
出来もしないことを出来ると言っては〝iPS細胞の森口と一緒だ〟との謗りを免れぬ。
 事情を話し、図書館の廃棄本で実証実験をした。

 ●クータを作る。
 幅は本文背幅にあわせる。天地方向の寸法は天地から各5mmマイナス。

 ●クータに同寸法の寒冷紗を貼る。

 ●本体背ボウルと割れた本文の背に、ボンドをタップリ目に塗る。タップリ目とは、ボンドで全体が白く見えるくらい。このとき、天地とも端は10mmくらいはボンドを塗らないでおく。圧着した時、ボンドがはみ出してくるのを避けるためです。

 ●次いで、クータの紙面にボンドを軽めに塗り、背に貼る。
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 ●貼りつけて上面に出ている寒冷紗にボンドを軽めに塗り、左右から割れた本文を表紙ごと持ち上げる。
 小口・天地のチリが揃っていることを確認しつつ、背を圧着する。(左手で本の小口を持ち、右手の手のひらで本の背を押すように滑らせ、全体を圧着する)

 ●その状態で、プレスするなり、溝棒を当てるなりして一昼夜置きます。 
 途中で「どれどれ、くっついたかな」なんて、本を開いてのぞいてはいけない。気持ちは分かるが魔法がとけます。
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 上手くいった。

 しおりひもと花布は、この後、本を立てて開き、背の空間利用して付け直す。
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by ikuohasegawa | 2012-11-18 05:29 | 製本&修理:スキル | Comments(0)
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