先ほど『緑 鮮やか』と書いたときも、『緑 彩やか』が浮かんで新明解を引いた。結果として『鮮やか』はあるが『彩やか』は無いことを確認できたので、安心して〝山椒は緑 鮮やかで非常に香り高い〟と記した。感覚的には『緑 彩やか』もアルように思う。
その、緑 鮮やかで香り高い山椒をふって、うな丼を食べた日の午後、映画・舟を編むを観た。
辞書好きというか普通の人より余計に辞書にお世話になっている者としては、辞書の編集などという地味なテーマの映画を作らせてしまった原作者に感謝せねばならない。三浦しをん アンタは偉い。
〝用例採取〟〝語釈〟などという用語を映画で聞くとは思ってもいなかった。
原作を思い浮かべながら納得したり、微笑んだり、涙が滲んだり。
Chiも「たまには、こういう映画を観ないといけないね」
ただ、迂闊にもGW初日であることを失念していたので当日券になり、空いていたのは98席のシアター2の前から3列目より前の席。
365連休の身なのだから、わざわざGWの混む日に行かなくてもよいのだが、365連休のゆえに世間の休日感覚がなくなっているのである。
前列の席でも見にくさは少しだけという配置はしてあるが、音がうるさい。前の席だからということではなく、全席そうなのかも知れないが予告編は特にいけない。見せ場ばかりをつないでいるから騒音が連続する。あれは音による拷問である。
Chiにティッシュを呉れと言ったら即座に用途を理解した。二人ともティッシュを丸めて耳穴に詰めた。本編が始まっても音が大きい。うるさい。結局、最後までティッシュの耳栓をしたままでいた。
音響効果の良さと音量の大きさを混同している。いや、むしろ音響効果の悪さを音量でごまかしているのではないか。
横浜ブルク13は桜木町駅から近く徒歩2分なので気に入っているから、次回は耳栓を持参することにする。
そうそう、映画には芸人の又吉が出ていた。辞書大渡海の意匠を担当する装丁家の役だった。ワンシーンのみだけど、彼は読書家だから嬉しかっただろうなー。