5月1日のチケット発売日に出遅れたので、この日の席は2階席。
こんな按配。
前座が座布団を反し、めくりを柳家権太楼に返して、この日二席目の権太楼師匠の登場である。
ネタは一席目の くしゃみ講釈 に続き、死神 。
故、名人円生は、死神が「消える」と言った瞬間、男が前にバタリと倒れる仕種で落としたという。故、天才談志は、「消えるよ」と言って死神が「フッ」と吹き消すサゲを好んだ。兄弟子柳家小三治は、男がくしゃみをした瞬間にろうそくが消えるサゲ。
権太楼師匠は、円生のサゲに場内照明を加えた。死神の洞窟に入る場面で客席の照明を落として仕込んだ。舞台だけが明るい。
死神が「消える」と言った瞬間、男(権太楼師匠)が前にバタリと倒れる。合わせて照明が消え真っ暗になる。
客席どよめく。
その間に師匠がはける。
何秒後かに照明が点いたとき、舞台には誰もいない。「消えた」
こんな按配。
残された座布団と羽織だけが象徴的であった。良いんじゃない。
なお、権太楼師匠はNHKTV演芸図鑑(毎日曜日5時15分)のMCをつとめる。さりげなく?というか、意図的番宣でくしゃみ講釈のマクラにも使った。
ファンだから見るけど、朝5時から演芸を見るのは辛い。録画することにした。