予定稿を準備していたら容疑者が逮捕された。
せっかくなので、そのまま更新する。
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今となっては旧聞であるが毎日新聞によると
東京都内の公立図書館が所蔵する「アンネの日記」や関連書籍300冊以上が破られた問題で、横浜市西区の市立中央図書館でも1冊に同様の被害が出ていたことが分かった。
横浜市教委によると「アンネ・フランクの生涯」の最初の1ページが破られていた。22日に職員が関連書籍などを確認した際に気付いた。21日に市立の全18図書館で調べた際には異常はなかった。市は全図書館で「アンネの日記」や関連書籍を書架からカウンター内に移した。
普通の人はアンネに同情的で、決してその本を破ったりはしないだろう。普通ではない人間が何らかの意図をもって犯行を繰り返している。
その犯意を推測し、それを論ずると手に余ることになる。と逡巡しているうちに犯行は止み、報道の表舞台からは消えた。横浜市立中央図書館の事件は、同一犯人が東京から出張してきた訳ではないから模倣犯だろう。
その後、こんなニュースも流れた。
共同ニュース
東京都内の公立図書館で300冊を超す「アンネの日記」や関連本が破られたことを受け、28日に始まった東京国際文芸フェスティバルに参加した海外の作家からは「事件は誇張されるべきではない」「(本の)寄付に感銘を受けた」などの声が上がった。
イスラエル人作家のエトガル・ケレットさんは「今回の事件は誇張されるべきではない。被害を受けた本が入れ替えられ、問題なく読んでもらうことが大事」と、冷静な対応を呼び掛けた。
米作家ネイサン・イングランダーさんは、大戦中にユダヤ人を救った外交官杉原千畝さんの名前で計137冊が図書館に寄付されたことに触れ「感銘を受けた」と述べた。
救われたような気がして、少しほっとした。
過日、磯子図書館の本の修理で〝アウシュビッツの記録〟を修理している仲間がいた。
すわ、これもかと思ったが、この本は破かれたのではなく経年劣化による壊れだった。
「本を破く奴もいるけど、修理する人もいるっていうことだね」で、何のことか伝わった。
「アンネの日記」に限らず、本を破ってはいけません。
これくらいのことなら書けるが、右傾化する日本、右傾化する若者、煽る識者、新ナチ、反ユダヤ主義、・・・などということを絡めて書こうとすると、やはり私の手に余る。
ただ言えることは、どのような主張も認められる我が国では極端な主張も許される。そうであるからといって、自分が気に入らない書物を毀損するような行動や、特定の書物を毀損して何かをアピールするようなことは断じて許されない。
読み始めた半藤一利の〝昭和史裁判〟に、こんな一節があった。
『いまでもおりますが、〇〇が好きなヤツというのは本質的に〇〇が好きなんです』