言葉

3-512) 私が住んでいるのは長屋だ

 自分の居住するところを何と表現すべきか迷うことがある。
 『我が団地』、『我がマンション』、『我が棟』、『我が家』、『我が部屋』など。
 全12棟の内の1棟で、住居表示では〇〇〇団地。


 新明解第二版によると団地は以下のようになる。
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 確かに、ここを買う前は『住む家の無い庶民』だった。入居して『住む家の有る庶民』になった訳だ。しかし、野宿していたわけではないから正確に言うと『住む家を所有しない庶民』だったのだけど。

 新明解第二版のマンションは
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 『スラムの感じが比較的少ないように作った』って書かれると『高級』と言うのが付け足しというか嘘っぽい。新解さん無理しているという感じがする。
 新解さんは、普通のアパートってスラムの感じがするのだ。
 マンションと名乗っても『比較的少ない』スラムの感じはする訳だ。あんたは。

「どうせそうですよ。高級じゃありませんよ。普通のアパートですよアパート」って開き直りたくなる。
 そのくせアパートの語釈は『内部がいくつかの部屋に仕切られている共同住宅』と、極めて真っ当。 『スラムの感じ』はどこへいったのだ。

 それじゃあ長屋は、と新明解第二版をひく。
3-512) 私が住んでいるのは長屋だ_d0092767_8322248.jpg

 おー。これだよ私がすんでいるのはこれだ。
 団地やマンションと比べて、この語釈は受け入れられる。
 これなのだれけれど『我が長屋では』なんて書くと、落語。講釈師か千代田卜斎、それとも、なりたての浪人者みたいだ。

 新明解愛好家は全冊を揃えて語釈の変遷を楽しんでいる。
 我が所有する新明解は中途半端な3冊。加えて第二版と最新の第六版は横浜にあるが第四版は信州に置いている。これでは真の愛好家ではない。

 しかし、第二版をひいているだけで結構楽しめた。第六版は語釈が変更されて『角がとれ』て面白味に欠ける。







Commented by saheizi-inokori at 2014-05-06 10:57
比較的、には笑えるなあ、新明解さんの住宅遍歴を知りたくなる。
私は二冊持っていたけれど、孫に4版をやってしまい6版のみです。
Commented by ikuohasegawa at 2014-05-06 16:16
saheiziさん
第二版は昭和49年ですから、その頃の世情を反映した上で、山田忠雄主管の主観がにじみでているのでしょうね。
Commented by 古武士ヒロ君 at 2014-05-06 17:36 x
学生時代にインドからの留学生に、吉祥寺に住んでいた同級生の住所を知らせたところ、驚いておりました。
たしか吉祥寺南町で「シャトー山口」。その友人は王子かと尋ねられました。
Commented by ikuohasegawa at 2014-05-07 04:33
古武士ヒロ君
Web上には「マンション・アパートのネーミング辞典」等というものもありますからねー。
街で目にする名称の意味を知ってホホー。
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by ikuohasegawa | 2014-05-06 04:31 | 言葉 | Comments(4)
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