繰り言 (くりごと)

3-534) 赤点をまぬがれても

 日本語俗語辞典によると
赤点とは落第点のことで、進級するために必要な点数に満たない点数を意味する。これは赤点を取った際、点数や成績表・通知表が赤字で書かれたことからきている。具体的に何点以下が赤点になるかは、それぞれの学校・試験によって異なる。

 学生時代の赤点ボーダーラインは60点だったと、記憶している。苦手な科目で赤点を取り追試になりはせぬかと心配をしたこともある。

 それも昔日のこと。
 今は諸々の健康数値のボーダーラインが気になる。数値の変化で一喜一憂ということはないが、それを目安に生活態度を多少改めたりしている。それでも、日によって血圧が140-85位のことがあるので高血圧症。健康数値の赤点である。

 過日、日本人間ドック学会と健康保険組合連合会は、血圧や血糖値、コレステロール値、肥満度などについて、「異常なし」と判定する血液検査の新たな基準範囲を策定すると発表した。
3-534) 赤点をまぬがれても_d0092767_616317.jpg

 それによると血圧140-85の私は健康人だという。高血圧症が治癒したと喜んでよいのだろうか。

 新数値基準(保健指導リソースガイドによる)
3-534) 赤点をまぬがれても_d0092767_9374851.jpg

 随分、楽になったというか甘やかされたものだ。

 その数値変更の根拠は
人間ドック受診者約150万人から約34万人の「健康人」を選び出した。そのなかから1~1万5,000人の「超健康人」(スーパーノーマルの人)を選んだ。
 条件は
 (1)がんなどの重大な病気の既往歴がない、
 (2)高血圧や糖尿病などで薬を服用していない、
 (3)喫煙習慣がない、
 (4)飲酒は1日1合未満など。
 その「超健康人」の測定数値から「健康」と判断できる数値の範囲を決めた。

 つまり、簡単に言うと「超健康人」の中に血圧147-94の人がいるから、そこまでを健康の範囲とする。ということなのかなー。

 国際的にも同様の値らしいが、策定に健康保険組合連合会が絡んでいると勘ぐってしまう。
 数年前、社保庁は年金納付率アップのごまかしを行った。あの時は割り算の分子(徴収金)を増やさないで、分母を小さくして年金納付率アップさせていた。
 この健康数値の変更も、健康人を増やすのではなく、基準を緩和して健康の範囲を拡大し給付金を節減。ということではないだろうな。

 学生ならボーダーラインが60点から50点に下がれば喜ぶだろう。しかし50点でOKと言われても学力が付いたわけではない。
 私の血圧にしても140-85であることにかわりは無いのだから、単純に喜こんではいけないような気がする。




 年金納付率は「実際に徴収した保険料」を「本来徴収されるべき保険料の総額」で割ったものだ。

 ところが分子の数字が一向に増やせない社保事務所は、分母を小さくすれば結果として納付率は上がることに目を付けた。手口は低所得者の保険料が免除される制度に目をつけ、免除者を増やすと「分母」が小さくなり、その結果納付率を上げよう。というカラクリ。そして未納者を免除者にした。

 ただ、この手続きは本人が申請しなければならないのに、本人の了解を取らずに処理していた。わかっているだけで全国の社保事務所で7万人を超えた。保険料が免除されると、受給権は失われないが、将来の支給額は大幅に減額されることになる。
Commented by 古武士ヒロ君 at 2014-05-30 05:05 x
「高血圧は病気ではない」と言い聞かせて、降圧剤を服用してます。
Commented by ikuohasegawa at 2014-05-30 05:27
古武士ヒロ君
 そういえば近所の80歳近い医者は、私の数値をみて 「齢を考えるとそんなものだ」といい降圧剤を処方しなかった。各数値全て 「齢を考えるとそんなものだ」というので信じて良いのかと思ったりした。
 それが今回の改定で正しかったことになリ、複雑な心境です
Commented by reikogogogo at 2014-05-30 12:40
旅に出たら、すっtかり常備薬の血圧の薬飲み忘れ。
Ikuoさんのおかげで思い出しました。
Commented by ikuohasegawa at 2014-05-30 16:47
reikogogogo さん
お元気で楽しい旅をお続けください。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by ikuohasegawa | 2014-05-30 04:53 | 繰り言 (くりごと) | Comments(4)

十や十五連休なんて目ではない。三百六十五連休が始まった私。


by ikuohasegawa