「こぴっと」の意味は『しっかり』だが、流行語は知っていても使わないのが大人というもの。
一方、花子の母親は「・・・じゃん」という。
ちょっと待て、「じゃん」は横浜の方言じゃん。 ほら。
こちらは流行語ではなく方言だから、横浜では大人も当たり前に使っている。移住横浜人の私も40年間住んでいると感化されて「・・・じゃん」と言っている。それなのに山梨で「・・・じゃん」だと。
「じゃん」を調べてみると、
『横浜の方言と言われているが、それはけっこう新しく静岡北部、山梨方面で使われていた「じゃん」が生糸の流通とともに横浜に広まった』という説が出てきた。
そうか山梨が本家か。「じゃん」も絹と一緒に来たのか。絹の道だ。
絹の道に反応して突然、うなぎ屋を思い出した。信州上田の鰻屋・若菜館も絹の道だ。と、思った。
横浜関内に〝割烹蒲焼わかな〟がある。
『ワカナ』という店名、うなぎや屋らしくない洒落た造作、刺身などを取り合わせたメニュー構成などがよく似ている。何か関係があるのだろうかと気にはなっていたが間違いない。
横浜の〝わかな〟は創業明治5年。上田の若菜館は創業明治30年。絹の道だ。と、確信した。創業者どうしの交流、あるいは職人の修行などがあったのだ。
「じゃん」 は山梨から横浜へ、『ワカナ』は横浜から上田へ、絹の道によって伝播したに違いない。
追跡調査はしない。思い込みのままでいることにする。だって気分が良いじゃん。
図は八王子と関東絹の道より借用。
じゃん、ほうけ、ずら、などはよくききましたが、こぴっとは知らんじゃん。