読書

3-760) 夭折の日向子、万理

拝読したブログの主題に杉浦日向子の掌編小説集。

処分せずに今日まで蔵している。
思い出して引っ張り出した。
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青ムロくさや、たたみいわし、とうふよう、さなぎ、またたび、がん漬け、ふきみそ、からすみ、ほやしょうゆづけ・・・タイトル通り、極上の珍味を素材につづる掌編集。

珍味の舌触り、香り、喉ごしと重ね合わせるように描かれる登場人物たちの、切なかったり可笑しかったり、悲しかったりする情景を、極、短く綴ってある。

何より、大方の珍味の美味しそうなこと。
ただし、見たことの無いものもでてくるし、私の食べないものもある。例えば『ほや』
その一節。

「うんまい、ホヤ食べた後って、水道水すらミネラルの旨味を感じちゃうから、こんな安酒でも純米吟醸みたいになるんだよ」
「安酒で悪うござんした」
「ね、ちょっとためしてみて」
「ダメダメダメ。おっちゃんも私も、磯臭くって」
「そこがうんまいのに。海そのものをあじわっているって感じ」

私もおっちゃん派なのだけど、もういっぺんチャレンジしてみようかな、なんて思ってしまう。
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杉浦日向子のイラストは黒単色だった。が、68品とも色鉛筆で彩色していた。僭越だなあ。

それにしても、杉浦日向子然り、米原万理然り、好む女流作家は夭折してしまう。








Commented by nicoru1nicoru2 at 2015-01-13 05:09
くさや、ピータンくらいは平気ですが、「ほや」は触手が伸びません。
Commented by ikemoto04lp at 2015-01-13 07:09
杉浦日向子と言えば、NHKの『コメディーお江戸でござる』を見るのが大好きでした。あの穏やかな語り口、今でも脳裏にはっきりと浮かんできます。
 米原万理は、以前にもコメントしましたが、中学の同級生でして、当時の写真がありますが、大変な美人でしたね。
 早世した美人作家では、鷺沢萠も好きと、は氏仰ってませんでしたか?これまた、高校の後輩ですが、いずれも「美人薄命」ということなんですかね・・・。
Commented by saheizi-inokori at 2015-01-13 08:40
ホヤこそわが本命かも知れない。
本書にある通りホヤを食うとビールや酒の味が変わるのです。
ちょうど今日万里の本を取り上げるつもりでした。
Commented by ikuohasegawa at 2015-01-13 09:06
古武士ヒロ君
ホヤには食指も動きません。
Commented by ikuohasegawa at 2015-01-13 09:12
アルチュさん
確か、鷺沢萠は米原万理の名が出たときに後輩つながりで話題になりました。
鷺沢萠も好き、というと話が出来すぎです。
Commented by ikuohasegawa at 2015-01-13 09:19
saheiziさん
「ホヤにもういっぺんチャレンジしてみようかな」というのは、日向子へのオマージュです。無理です。
万理は楽しみです。
Commented by ikemoto04lp at 2015-01-13 13:00
でき過ぎ話のついでに申しますと、杉浦日向子の本名は、わが母校の誇り、オリックスに入った鈴木優君のお母さんと同姓同名で、漢字までいっしょなんですよね。
Commented by ikuohasegawa at 2015-01-13 13:58
杉浦 日向子(すぎうら ひなこ、本名:鈴木 順子)
調べちゃいました。
元夫は、あの荒俣さんだったのだね。
Commented by 広島の郁夫です at 2015-01-13 21:07 x
お顔が思い出せずネットをい昔に読んだマンガを描いた方が美人だったと初めて知りました
本棚の塩野七生、白洲正子、幸田文先生など楽しい方ですが美人の話題には上りません
Commented by ikuohasegawa at 2015-01-14 03:41
広島の郁夫さん
本棚、渋いねえ。
(後期熟女?)
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by ikuohasegawa | 2015-01-13 05:00 | 読書 | Comments(10)

十や十五連休なんて目ではない。三百六十五連休が始まった私。


by ikuohasegawa