処分せずに今日まで蔵している。
思い出して引っ張り出した。
青ムロくさや、たたみいわし、とうふよう、さなぎ、またたび、がん漬け、ふきみそ、からすみ、ほやしょうゆづけ・・・タイトル通り、極上の珍味を素材につづる掌編集。
珍味の舌触り、香り、喉ごしと重ね合わせるように描かれる登場人物たちの、切なかったり可笑しかったり、悲しかったりする情景を、極、短く綴ってある。
何より、大方の珍味の美味しそうなこと。
ただし、見たことの無いものもでてくるし、私の食べないものもある。例えば『ほや』
その一節。
「うんまい、ホヤ食べた後って、水道水すらミネラルの旨味を感じちゃうから、こんな安酒でも純米吟醸みたいになるんだよ」
「安酒で悪うござんした」
「ね、ちょっとためしてみて」
「ダメダメダメ。おっちゃんも私も、磯臭くって」
「そこがうんまいのに。海そのものをあじわっているって感じ」
私もおっちゃん派なのだけど、もういっぺんチャレンジしてみようかな、なんて思ってしまう。
それにしても、杉浦日向子然り、米原万理然り、好む女流作家は夭折してしまう。
米原万理は、以前にもコメントしましたが、中学の同級生でして、当時の写真がありますが、大変な美人でしたね。
早世した美人作家では、鷺沢萠も好きと、は氏仰ってませんでしたか?これまた、高校の後輩ですが、いずれも「美人薄命」ということなんですかね・・・。
ホヤには食指も動きません。
本棚の塩野七生、白洲正子、幸田文先生など楽しい方ですが美人の話題には上りません