製本&修理:マテリアル

3-833) 名を名乗れ(各種補修テープに記名) 

磯子図書館の本の修理では、各種補修テープの箱の上面(写真の箱は奥側)を切り取って材料ボックスに立てて並べている。積み重ねるより整理がつくし出し入れし易い。

補修テープを取り出し使い終わって箱に戻すのだが、箱のラベルを確認することなく箱に収めていくから、次第に箱と現物が一致しなくなる。
初心の方は箱の名称を頼りにするから混乱がおきた。

全てのテープに名称を書き加えた。
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箱は単なる容器になったので、何処に収まろうと構わなくなった。誤用も無くなる。
会員各位には名札を下げるよう申し合わせているのに、どうして今まで気が付かなかったのだろう。



修理はというと、今週はガンダムのムックを手がけた。根強い人気あり。再購入不可。
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壊れて当たり前の並製本。
本文用紙は雑誌クラス。それと上質紙の表紙を背で接着しただけ。見返しは無い。
さらに厄介なのは、ページ外れと本文の脱落を過去に製本ボンドで補修している。そのボンドで本文の最初と最後の数ページずつが分離して表紙の裏側に残っている。
同じ症状が更に悪化して再入院というところ。


【以下は修理関係者以外の方は、更にツマラナイと思います】 


修理方法を見立てる
●本文の破れを和紙テープで補修。セロテープは幸いなことに1箇所。
●分離している本文を一体化する。ページ外れは今後も続くので平綴じを採用。本文の開きは多少悪くなるが『ページ外れの連鎖』は止められる。
●本文と表紙を結合する。

ということになるが、見返し無しの本の場合、本文と表紙の接着は背部分だけなので再修理しても再発しやすい。どうしたものかと思案しながら、表紙の裏側に貼りついている本文の数ページずつを剥がしていくうちに気が付いた。
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表紙用紙の表はブッカーで保護してあるし、それなりの厚みがある。オマケに経年劣化で緩んでいるから層で剥離できる。
その間に寒冷紗の羽根を入れ、貼り押えればよい。

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という方法でなおしました。

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フィリピンの偽ガンダム
早くも取り壊すそうだ。
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それにしても、薄い。
これは偽ガンダムというレベルではない。他のモノじゃないの。
Commented by 広島の郁夫です at 2015-03-27 11:21 x
深夜、平日の昼間に区別が分からない多世代のガンダムを放送してる程の人気がムック本を破るんですね
電子書籍より手触りが楽しめる補修をご苦労様です
Commented by ikuohasegawa at 2015-03-28 09:14
広島の郁夫さん
これは本の作り自体に無理があると思います。図書館で多くの人が繰り返し読むのには耐えられないと思います。
Commented at 2022-06-04 22:57 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ikuohasegawa at 2022-06-06 08:42
都さん
お役に立てたら嬉しいです。
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by ikuohasegawa | 2015-03-27 04:51 | 製本&修理:マテリアル | Comments(4)

十や十五連休なんて目ではない。三百六十五連休が始まった私。


by ikuohasegawa