重箱の隅をつつく

3-622) 手作り製本をする者は微細な差が気になる

共同購入した1000年和紙・墨染A4の件。

昨8日、製本の会のH坂さんから連絡があった。「用紙が大きい」

年明け、この用紙に例の和本方丈記の見開き2ページを印刷して山折りにした。その本文に、別のA4用紙を二つ折りにした見返しを付けようとすると、本文が大きい。実測すると299×212だった。販売元の墨運堂は交換に応ずるとのこと。
ここまではH坂さんのご苦労でした。

まずA4の確認。
A4サイズ
3-622) 手作り製本をする者は微細な差が気になる_d0092767_15365885.png
墨染A4は縦横とも2㎜大きい。
私はこの用紙には手をつけていないが、測ってみると確かに我が在庫分も大きい。

この本文に、見返し(正A4用紙の二つ折り)を付けると差が出るのは当然。出来上がりは芳しくない。
見返しは天地方向で2㎜、小口方向で1㎜本文より小さくなる。
共同購入の50包で製本すると「常に芳しからず」という出来上がりになる。
微細と言えば微細だが、この後、正A4を重ねる製本者としては看過できない。

このロット番号のものは全てサイズが違う。
3-622) 手作り製本をする者は微細な差が気になる_d0092767_15212988.jpg

ということで、世話人のS口さんが墨運堂と話し合いの結果、以下のように決着。

共同購入の50包は交換。
印刷していないものは着払いで返送。印刷したものは返送不要。

お手数ですが、新年会、例会で回収いたします。

「2㎜大きい」には墨運堂も驚いたことだろう。
でも、A4と表示した以上はA4でなくてはいけない。正A4でないと困る用途もある。

手作り製本をする者は、微細な差でも見過ごせないのだ。
そういえば、かつて芸術新潮をめぐって、こういうことがあった。





2016年1月号

3-622) 手作り製本をする者は微細な差が気になる_d0092767_17410429.jpg

私の指摘により、とは申しませんが、あの数か月後からこの程度まで改善されております。




Commented by ikemoto04lp at 2016-01-09 09:18
「重箱の隅をつつく」という意味合いのものではなく、手造り製本をする上では、見過ごせない重要な問題なんですね。
Commented by ikuohasegawa at 2016-01-09 10:26
アルチュさん
サイズ違いの材料があると全てをそれに合わせなくてはならないので、手間が数倍増えてしまいますから見過ごせません。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by ikuohasegawa | 2016-01-09 04:44 | 重箱の隅をつつく | Comments(2)

十や十五連休なんて目ではない。三百六十五連休が始まった私。


by ikuohasegawa