修理テキスト改訂のための覚え書き。
修理で絵本や図鑑などを綴じなおすとき、折り(縫い目)部分が裂けていることがある。
綴じ糸が緩んだ状態で閲覧を続けていたため、綴じ糸が切り裂いたのだ。また、修理過程でも取り除こうと糸を引き、切り裂いてしまうこともある。
これは極端な例だが、ひと穴ふた穴裂けていることはままある。
このままでは、綴じなおすことはできない。
普通のページ面の破れなら和紙テープで修理できるが、和紙テープには綴じ糸を耐える強さはない。
特に学童対象の図書では、まったくの強度不足。
私たちのグループでは、S口氏がみつけたオーガンジー・リボンテープを使う。
極薄和紙、和紙テープの両面(二重)貼り、裏打ち無しの寒冷紗、オーガンジー(布)などを試みた末、リボンに行き着いた。
極細の15デニール糸、12㎜幅を使っている。
サイズを合わせてリボンを切り出す。
貼る場所にセットしてボンド(和糊は不適:強度不足)を塗り貼る。
貼る場所でボンドを塗る理由は ①他の場所でボンドを塗ってねじれるリボンを運び貼るのはかなり難しい。②ボンドを塗ってもリボンの織目から抜けてしまうので、追加でボンドを塗ることになる。
ボンドが白く不透明に見えるが乾くと透明になる。リボン幅から多少はみ出してもOK。
ほら、リボンとボンドはほとんど見えないでしょ。
異論もあろうが、私たちの修理する本は、一般書、児童書。
デメリットを認識したうえで、この方法をとっている。
デメリットとしては
ボンドでここだけ硬くなる→境目が新たに裂ける可能性がある。
リボン貼り付けページが多いと、ノドが厚くなる→表紙に収めにくい。小口が出る。
※ホワイトがあればそれに越したことはないが、薄ければ色付きでもラメ入りでも使える。現在使用中のリボンは、薄(少々)グレーのラメ入りですが問題ありません。
※ユザワヤで50円/1m程度で買えます。
※生地のオーガンジーは、120幅1mで300円なので安いが、切り出すのが厄介な上、切った端の始末がつかない。