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3-788)珍しいアジロ綴じの絵本

絵本や図鑑の本文は、児童のハードな読書に耐えることができるように、折丁を糸で綴じる製本がほとんどである。
にもかかわらず、接着剤製本のアジロ綴じの絵本が修理に来た。

アジロ綴じは無線(糸や針金を使わない)綴じを改良したもので、業界では「無線綴じよりも丈夫で本のノドいっぱいまで開くことができます」という。
絵本、図鑑、画集、大型辞典以外の、流通している一般書は、ほとんどアジロ綴じなのだ。
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無線とじは印刷と折りの都合上、袋になっている部分をカットし、ペラ(単票)にして接着しているから強度は低いしノドまで開けない。

それと比較すれば、アジロ綴じは折り(袋)を残して切れ目を入れ、そこから接着剤を浸透させているので無線とじよりは強いというだけのこと。
折丁を糸で綴じた本とは比べ物にならない。


修理するアジロ綴じの絵本は表紙が外れ、本文がバラけている。固いボンドカスを剝していくと当然のことだが本文の背には切れ目が入っている。しかも、孔と孔の間が切れてつながっている箇所が幾つもある。
端から、アジロ綴じは修復できない。

糸綴じをすることにして、極薄のリボンテープを接着して孔をふさぐ。

リボンテープを貼ったときはボンドが白く残って、絵を邪魔している。
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乾燥するとボンドは透明になり絵は見える。
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今日はここまで。

この後、綴じ孔をあけ糸で綴じる。





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by ikuohasegawa | 2016-06-23 04:58 | 製本&修理:スキル | Comments(2)
Commented by ikemoto04lp at 2016-06-23 14:39
「アジロ綴じ」
なぜにそう呼ぶんですかね?
 漢字にするとどうなるんですか? まさか「網代」じゃないですよね。
Commented by ikuohasegawa at 2016-06-23 15:49
アルチュさん
網代綴じなのですよ。

一般書籍は無線綴じが当たり前だった時代に、日本で開発された綴じ方です。
無線綴じは単票ですから接着面は直線的ですが、網代(植物を編むという意味において)に似て丈夫だという意味合いの命名だと思います。

英語では burst perfect bind (開きっぱなしにできる完璧な綴じ)と言うそうです。無線綴じに比べてということですが。
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