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3-986) 各種ボンドを比較する

キハラのビニダインを使って修理をしている方から質問をうけた。
「ビニダインとB-1ボンドはどっちが良いですか」
どっちが良いかと言われても即答できない。

まず、かつて一瓶使ったことのあるビニダインをキハラHPにて調べた。
図書館用製本接着剤として開発された酢酸ビニール系の接着剤です。
ビニダインは紙類の接着に、ラッキーセメントは、ビニールレザーやビニール系の表紙などと紙クロス、布クロスとの接着に最適な樹脂分の多い接着剤です。
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ビニダインはPH5~6、ラッキーセメントはPH4~6の弱酸性(PH7が中性)。
外装用ラッキーセメントより、本文修理(紙類接着用)を想定したビニダインの方が少し中性に近い。
価格は1㎏約1700円程度。


ボンドB-1の特長は「接着層強靭で柔軟性」と記載あり。
PHは弱酸性~中性(4.5~7.0)。
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価格は3㎏2400円(1㎏800円)くらい。


木工用ボンドは、酸性~弱酸性(PH3.0~5.0)。1㎏大体500円。
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※写真は児童用ですが業務用でも成分は同じです。

このほかに、一度も使ったことが無いPH7の中性ボンド(社は「無酸性のり」と言っている) ブックッグルー(フィルムレックス社)もある。
特長は本の修理・製本用無酸性のり 乾いた後も弾力性があり、経年劣化に強い商品です。
価格は格段の1㎏4300円。
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以上を表にまとめると
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我々が修理する本は古文書貴重資料ではない。よって、中性であることを選択の基準にする必要性は薄い。
一般に閲覧される本であるから修理後の強度は要求される。
高額な材料は避けるのが妥当。
使った感触ではビニダインとB-1ボンドには差が無い。

よって、私はB-1ボンドをお薦めします。

B-1ボンドは
PH5~7は弱酸性~中性。
接着層は強靭で柔軟性あり。
3㎏2400円(1㎏800円)とコストパフォーマンスも良い。

難点は業務用(3㎏入り)しかなく小分けが必要なこと。










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by ikuohasegawa | 2017-01-07 04:15 | 製本&修理:マテリアル | Comments(4)
Commented by ikemoto04lp at 2017-01-07 07:31
ボンド一つにこれだけの解説ができるわけですから、もはや単なる趣味ではなくプロの域ですね。
 「たかがボンド、されどボンド」というわけですか。

ところで、タイトルは間違ったというわけではないのですか?
Commented by ikuohasegawa at 2017-01-07 08:15
アルチュさん
有り難うございます。
「・・・比較」と、体言止めだったのを、修正するときにダブりました。
Commented by 広島の郁夫です at 2017-01-07 10:13 x
ボンドについてこれだけ調べられるのだから立春絞りの銘柄を当ててしまわれるのもむべなるかなです。お店のお勧めの一つに大信州とありました。試しておられますか。
まったく別の話題ですみません
Commented by ikuohasegawa at 2017-01-08 05:24
広島の郁夫さん
やはり賀茂泉でしたか。日本名酒会 +立春・・・広島で行き着きました。

大信州は知りませんねえ。
似たような名の大雪渓というのはあります。
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