「これはコピーして修理する方がいいですよね」と尋ねられた絵本は「もこ もこもこ 」 (谷川俊太郎著)
大きな破れが目に入ったが、それは派手なだけで、裂けている箇所(白く見えているところ)を貼り合わせページヘルパーで補強すればよい。
問題なのはノド部分の糸綴じラインが無いこと。
一折中綴じをばらしてコピーで補うべきだ。 尋ねた人もそれは解っている。
あまり無い壊れ方のうえ、ばらして綴じなおす方が良いのでやる気が湧いて「私にさせて下さい」と横取り。
横取りと書いたけれど、新たな引き受け手が現れて、I光さんも若干ほっとしたようにお見受けした。
まず、綴じ糸を切ってばらす。
一折中綴じ絵本特有の、表紙ウラに貼り付けた見返しを直線にカットして剥がす。
後日追記
直線カッターはやや深めに入れる。
剥がしていくとき見返しが薄くなるより、ボール紙を剥いでください。その時見返しにくっついたボール紙を掃除してはいけません。厚い所、薄い所になっても同じ個所に納まりデ凸凹一致しますから大丈夫です。
※天側まで剥がしていきます
製本時には、この見返し用紙を含めて中綴じした後、表紙ウラに貼っているから、剥がさないと綴じられない。
剥がした見返しと本文を重ねて綴じた後、貼り戻す。
前半で断裁機の刃をセットするのに時間を取られたので、ここでタイムアップ。
研ぎから戻ってきた刃は、講談風に言えば「抜けば玉散る氷の刃」
本当に斬れる。
ほぼ毎年研ぎに出しているが、着装時、私を含め4名の「身をもっての切れ味体験者」がいる。
不注意なのだけれど、研ぎが日常を超えているので、日常程度に触れると斬られる。
革の作業手袋をして無事装着。試し切りも済ませた。
何はともあれ断裁機は復活しております。