小結御嶽海の五月場所は八勝七敗ながら二横綱を倒し殊勲賞受賞。
信濃毎日新聞より
平成27年新入幕以来2年で殊勲賞、敢闘賞、技能賞を受賞したことになる。
高安が大関に昇進したから関脇は二人になる。
そのうち琴奨菊が負け越しているので、御嶽海の来場所関脇昇進も期待できる。
入幕当時から準県民として応援してきたが、本当に強くなったものだ。
強いだけではなく礼儀正しいところも私は評価している。
彼の礼儀正しさは、花道を引き上げるときに現れている。
本場所の土俵と支度部屋をつなぐ通路を花道という。その花道で警備に当たるのが平年寄(理事など役員以外の年寄)の親方衆の任務なのだ。
今場所は引退間もない元旭天鵬・大島親方の姿がよく写っていた。
花道を引き上げる御嶽海は自身が勝った日も負けた日も立ち止まり、親方に頭を下げて挨拶をする。
彼が毎日礼儀正しいから他の力士の態度にも目がいってしてしまう。
全く挨拶をしない力士もいる。
先輩親方なのだからキチンと挨拶をしなさいと、部屋の親方に指導されていないのかなあ。
こうして、少なくとも私たち二人は、礼儀正しさのみならず、力士として否社会人としての基本、部屋の躾、協会の教育にまで思いを馳せてしまうのだから、徹底して指導すべきである。
ここからは余談・・・元々、頭から余談みたいなものだけど
御嶽海が所属する出羽海部屋は相撲界随一の名門。11の相撲部屋からなる出羽海一門の本家である。
その割りに現在は衰退していて関取は御嶽海のみ。他には幕下以下の力士養成員16名。御嶽海の十両昇進前は関取ゼロ、つまり、「取的」「ふんどしかつぎ」だけの部屋だった。
御嶽海は関取ゼロの出羽海親方に「部屋の復活に力を貸して欲しい」と口説かれ、決まっていた社会人相撲の名門和歌山県庁への就職を断っての入門だったと聞いている。
強く人気のある関取がいれば、有望な新弟子も集めやすくなる。部屋頭が礼儀正しければ礼儀正しい力士が育つというもの。礼儀正しい出羽海部屋の復興は近い。
学生相撲出身の若い子は、比較的礼儀正しいように思う。御嶽海を初め、遠藤、正代、宇良、石浦、北勝富士・・・。
余談の二つ目
相撲協会の役職は、理事、副理事、役員待遇委員、委員、主任、年寄の6職階。
年寄名跡を保有している力士は、引退後に平年寄(元横綱は引退後5年間、元大関は3年間委員待遇)として指導普及部へ配属され警備などを担当する。
その後の改選時に主任、さらには委員に昇格する。ただし、年寄名跡を所有していない、いわゆる借株の年寄は平年寄に留め置かれ年寄株を所有している他の平年寄より下に置かれる。
今場所の警備でよく見た大島親方(元旭天鵬)は主任でした。