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4-230) 権太楼・甚語楼 親子会 青菜

土曜の午後はにぎわい座。
三席聴いた七月の独演会から二か月ぶりの柳家権太楼。
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開口一番は柳家小里ん門下の小多け演ずる初天神
権太楼六番弟子のさん光は粗忽の釘
師匠と二枚看板の甚語楼は幾代餅 (あらすじは開いたページのずーっと下、第442回落語研究会にあります
さすが惣領弟子、本当に上手くなった。
おかげで私もこれから一年精勤する気になった。さん光も兄弟子を見習うように。

中入り後は
ボンボンブラザースの太神楽曲芸。
私より四つ五つ年上の二人組だから、ミスしても場内はガンバレガンバレの声援ムード。ミスも混じって小さな成功で拍手喝采を幾つか繰り返し、棒の先の盆にカップを積み重ねてのバランス芸。危うい状況をクリアーして拍手。
最後は、さらに棒を接ぎ足してのバランス芸を披露すると舞台を降り客の前に立つ。

「そばへ来ないで、あっちでやって」とお客は大騒ぎ。
ハラハラドキドキさせて成功したところで、ついに棒が傾きあわや盆とカップが客の頭上に「あーーー」となったら、透明テグスでつないでありました。
歳を逆手にとっての、年季の入った曲芸で大拍手。途中のミスも予定の演技だな。

大拍手の余韻が冷めないものだから、客は金毘羅船船の出拍子に合わせて手をたたく。
登場した権太楼師匠は笑顔を浮かべて「出拍子に合わせて手をたたくのはやめてもらいたい」
これだけでドカンと沸いた。

「植木屋さんご精がでますね」とはじまる演目は青菜。冷えた酒・柳影、鯉の洗いをご馳走になったところで、旦那が「時におまえさん、菜をおあがりかい?」「へい、大好物で」「奥や奥や、植木屋さんに青菜のおひたしを」

ところが、次の間から奥様が「だんなさま、鞍馬山から牛若丸が出まして名を九郎判官(くろうほうがん)」と妙な返答。これに旦那は「義経にしておきな」とさらに妙なやり取り。
これは、菜は食べてしまってないから「菜は食らう=九郎」、「それならよしとけ=義経」という夫婦間の隠し言葉だという。

これを気に入った植木屋が、帰った長屋で女房にやらせようとするところから大爆笑の始まり。
「違うだろー、この○○」も顔負けの暴言女房、通りかかった大工の熊を巻き込んでの大騒ぎ。権太楼ワールド炸裂。大満足。


ところで冷えた酒・柳影だが、いつも世話になる落語あらすじ辞典千文字寄席には「そこでごちそうになったのが、上方の柳影(やなぎかげ)という「銘酒」だが、これは実は「なおし」という安酒の加工品。」とあるが、「違うだろー、このサケ」
安酒なら呑んべいの植木屋は呑んでいるはず。お屋敷の旦那の振舞酒なのだからね。 

Wikiを要約すると以下のようになる。
本直し(ほんなおし)はみりんと焼酎をほぼ半々に混ぜたもの。江戸時代の上方では「柳蔭(やなぎかげ)」、江戸では「本直し」と呼び、冷用酒として飲まれていた。「飲みにくい酒を手直しする」というニュアンスから「直し」という呼称が発生した。
江戸時代には夏の暑気払いとして、井戸で冷やされて楽しまれ、高級品として扱われていた。

そうでしょう。お屋敷の旦那の頂きものの柳影だもの高級酒だろう。
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白鶴酒造のHPで見つけましたが現在は販売中止のようです。


次の、にぎわい座・権太楼独演会は12月8日。待ち遠しい。







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by ikuohasegawa | 2017-09-12 04:15 | 待ってました!権太楼師匠 | Comments(8)
Commented by saheizi-inokori at 2017-09-12 08:37
甚五郎はいい味を持ってますね。春風駘蕩ほっかりします。
「柳陰」、昔はいい酒がなかったのでしょう。
だから上方到来の酒を加工してのむのも贅沢だったのでしょうね。
今は、ああだこうだ云いますが、私にとってまずい酒なんて年に一度あるかどうか、どれを飲んでもうまいです。
もっとも、うまい酒をまずく飲むときもないではないですが、それも少なくなりました。
Commented by ikemoto04lp at 2017-09-12 08:47
『幾代餅』は、権太楼師匠の得意演目ですよね。甚語楼もだんだんと師匠の域に近づきましたか。

今回の演目も、たまたま私が知っているものばかりですが、「にぎわい座」、一度は行かないとなぁ。
Commented by 広島の郁夫です at 2017-09-12 09:38 x
柳影をどこかで見たと検索すると多田容子氏の小説の名前でした。自身で手裏剣術などをされているためか思いがけない記述に何冊か楽しみました。
Commented by ikuohasegawa at 2017-09-12 12:13
saheiziさん
いつ読んでも気持ちよく楽しいお酒ですものね。
私も、この年になると酒は人を選びます。誘われても面子によっては「用あり」にします。
楽しく飲みたいですからね。
Commented by ikuohasegawa at 2017-09-12 12:18
サマースノーさん
権太楼の代書屋を聞かれたことはありますか。ぜひ一度。
枝雀譲りの滑稽噺です。

Commented by ikuohasegawa at 2017-09-12 12:20
広島の郁夫さん
多田容子の作品は読んでおりません。読んでみます。
Commented by ikemoto04lp at 2017-09-12 17:04
権太楼師匠に『代書屋』があるんですか・・・。
 この噺は、弟子の雀々が師匠譲りの上手さだと思っていましたが、権太楼師匠の滑稽噺も爆笑王並みですか。
Commented by ikuohasegawa at 2017-09-13 08:51
サマースノーさん
YouTube・権太楼代書屋
で見られます。
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