クツワ・サイズカッター定規を紹介したら、友人の一人はAmazonでポチッ。
もう一人も気に入ったらしく、吊り下げる穴はあるかと訊いてきた。これには穴はないが、穴が有ったら買うということだろう。
気をよくしたので、もう一種、定規を紹介する。
コクヨデザインアワード(2014)受賞の「本当の定規」
コクヨHPより
見てのとおり0,5mm、1mmの目盛がいわゆる線ではなく、0,5mm、1mmの幅を一つおきに黒く塗ってある。
この写真を見て意図を見抜き得心した人は、微細な工作をしている人で更なる精度を求めている人です。
企画者の弁
一般的な定規のように「太さがある線」ではなく、幾何学の定義でいうところの線=「太さがない線」で目盛りを表現できれば、長さを計る道具という定規の本質により近づくことができると考えました。等間隔に並べた面と面との間に生まれる「境界線」で位置を示し、より正確な長さを計ることができる定規です。
この「理屈」に魅力を感じる。
確かに、細い線を引いてもそれには幅があるから細長い面でしかない。
私一人ではないと思うが、同寸法で引いた線に合わせて幾つか切り出すと、出来上がりは微妙に同一性を欠く。
そのマチマチを眺めながら、線に幅があることを痛感して「もっと細い線を引かなくてはいけない」「線の右を基準にしよう」とか「線ではなく針で突くだけにしよう」 などと思うこと、しばしば。
この「本当の定規」のデザイナーは私たちと同じ悩みを味わっている製作者なのだろう。
太さがある線ではなく、太さを持たない幾何学的直線を定規で実現するために、面の端の境界で表す。
「幾何学的直線※目盛の定規」これは格好良い。
この定規を使えば「この線のどこが1mmなのだ」と思わなくて済むことは違いない。計測の正確さは増す。
「★次回入荷は10月上旬予定です。申し訳ございませんが現在取寄せ依頼はできません。ご了承くださいませ★」
残念。「本当の定規はこれだよ」と自慢して歩くことができない。
しかし冷静に考えると、この定規で正確に測れば採寸精度は上がる。ただし、この定規を使っても作品の出来上がりに大差はないだろう。正確に測れても正確に印すことが難しいからねえ。
今のところ、寸法移しはスプリングデバイダーが一番正確だと思う。
付け加えると、
①Amazonでは扱っていません。
②この定規には大きめの穴があいています。
③15cmで1080円です。
※直線(ちょくせん、line)とは、太さを持たない幾何学的な対象である曲線の一種で、どこまでもまっすぐ無限に伸びて端点を持たない。まっすぐな線には直線の他に、有限の長さと両端を持つ線分(せんぶん、line segment、segment)と、一つの端点を始点として無限にまっすぐ伸びた半直線(はんちょくせん、ray、half-line)がある。