ハヤカワポケットミステリーは確か小口天地を黄色く染めていたはずなのに、それさえ見えぬほど激しい紙面の黄変。
海外のペーパーバックを意識した装幀製本とはいえ、劣悪な紙質まで真似たのだろうか。
これでも2006年版である。
この「真夜中への挨拶」の修理指示書には『ページ外れ P146~P150』とあったが、連続するページを軽く引くだけで次々と外れる。
紙だけでなく製本もペーパーバック並だ。
これはもう、全てのページを単票にばらして無線綴じ(糸綴じをしない)をする以外に手はない。
ノド割れやページ外れの全面的無線綴じ修理をするときは、
5か所に切れ目を入れてタコ糸を渡すより
14か所に施した方が強度は増す。
さらに、背を荒らしてボンドを含浸させるともっと強くなる。
手順としては、荒目のヤスリので背を荒らす。
さらにのこぎりで目引きをする。
糸を渡して接着する。
荒らした背全体にボンドを塗り込み、背固めする。
つづく。