製本&修理:スキル

4-330) 無線綴じのハヤカワミステリーを修理する③

ハヤカワポケットミステリーの修理。

綴じなおした本文を長持ちさせるためにクータと寒冷紗を入れたい。
さらに付加した寒冷紗を隠すために見返しを足したい。
同書は並製本なので見返しは無く、本文を柔らかい表紙で包んでいるだけです。
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問題なのは元の製本時に無かった物を加えると、その分本文が大きくなって表紙から小口がはみ出すこと。
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その対応としてオモテ・背・ウラと一連になっている表紙を切り離し表紙を大きくする。
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本書の場合は、はみ出しが少ないのでウラ表紙にのみスリットを入れた。

間に布テープを足し、表紙と本文の小口を揃えた。
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スリット保護のため全体にブッカーを掛けなおしました。
 
かくして、並製本の修理ながら見返し付きフォローバックで仕上げました。
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ノドの奥に背に渡した糸が点々と見えます。





Commented by ikemoto04lp at 2017-12-20 07:31
なるほど、「いと」も簡単に済ませたわけだ。
Commented at 2017-12-20 07:39
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by saheizi-inokori at 2017-12-20 09:37
人間の体もこんな風に再生できないかなあ、とふと感じました。
Commented by 広島の郁夫です at 2017-12-20 15:09 x
分厚い文庫本を強引に開いて読むと背が割れてしまってます。最近は大きい字が好きなので単行本をちびりちびりと読むので割ることはありません。
Commented by ikuohasegawa at 2017-12-20 18:03
サマースノーさん
糸も使いましたが、簡単ではありませんでした。
Commented by ikuohasegawa at 2017-12-20 18:09
鍵コメントさん
束のみが増加すれば「太」でしょうが、背の部分の増加が「大きい」ので悩んだ末の表現です。
Commented by ikuohasegawa at 2017-12-20 18:13
Saheiziさん
ほんとですね。
部品の取り換えで再生はだいぶ近づいているようですはね。
Commented by ikuohasegawa at 2017-12-20 18:17
広島の郁夫さん
出版会社は不特定多数が読むことを想定した製本をしていませんから文庫本は早く痛みます。
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by ikuohasegawa | 2017-12-20 04:15 | 製本&修理:スキル | Comments(8)

十や十五連休なんて目ではない。三百六十五連休が始まった私。


by ikuohasegawa