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44)  フライングするオジサン

奥付を見ると昭和43年8月20日とある。二段組350頁のボリュームで定価は490円。今思うと驚くほど安く感じられますが、購入は学生の頃ですから、重みのある490円だったと思います。21歳の私がこんなタイトルの本を、よくも購入したものだと思います。
幾度読み返したことでありましょうか、この38年の間に。Chiも数回は読んでいます。
44)  フライングするオジサン_d0092767_1833965.jpg

文庫版の日本婦道記もありますが、久しぶりにコレを手にして家を出た。東京駅まで1時間・高速バスに85分の旅のお供にコレを指名したのだが、その選択は誤っていた。

オジサンはこらえきれない。朝の通勤電車の中で、涙を拭う老人。ハンカチ老人?それほど日本を愁うのか?会社がそれほど辛いのか?そんなに嫁にいじめられるのか?朝ごはんはちゃんと・・・・? もう周囲を気にする年でもないが、コレはまずい。読書中止。
高速バスの最後尾に席を取り、ハンカチを手に読書再開。オジサンは涙する。

オジサンになる前から、弱かった。誰の結婚式でも必ず目頭を押さえていた。
オジサンになってからはそれが早い。オジサンはフライングして感動するのであります。
まもなく○○駅と聞こえたとたん席を立ち扉へ移動、下車準備完了。というのと同じ状態であります。次は感動的な場面になるぞ、まもなく・・・という段階で、ウルウルスタートしてしまうのであります。感動はその後やってきて、更にウルウル。
11月19日友人の息子の結婚式に出ます。式場へ到着しただけでフライングしないか心配でなりません。

何はともあれ、ご一読をお勧めいたします。読んだことある人も、もう一度。
タイトルを付け直して再版すればもっと読まれるのにと、何時も思ってしまいます。

誰もが泣ける短編集  心地よい涙をながした記憶ありますか
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by ikuohasegawa | 2006-11-10 19:30 | お気に入り | Comments(0)

十や十五連休なんて目ではない。三百六十五連休が始まった私。


by ikuohasegawa