78) 柔らかな時計

今や押しも押されもせぬ作家・江国香織の父君は、私の敬愛するもう一人の師・故江国滋氏である。が、娘は今回の話題とは関係無い。
父君・江国滋氏はその著書で、名画を自宅に掛けたいか否かという基準で分類してみせた。その中でダリはムンクと並び、自宅の壁に掛けたくない名画の最右翼とされました。同感。
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                        「記憶の固執の崩壊」:ダリ

ダリ氏が原子力に対する漠然とした不安を描いたというのであるから、見る者の心に不安を掻き立てるのは当然。この画面にも、お得意の柔らかい時計が登場している。人は時計によって時を認識する。その時計が軟化して描かれると、時間に対する自信が揺らぐ。ソレが見る人の心に不安の種をまくのか。
確かに、この絵は自宅の居間の壁に掛けたくない。夜中にトイレに起きた時、コレは目に入ら無いようにしたいと思う。子供はトイレに行けなくなる。さすれば必然の結果を招くことになる。
『ダリが怖いから、つい・・・・おねしょの責任はダリ(レ)にある』と言い訳するよりしょうがなかろう。

映像加工ソフト・JTrimは時計をも柔らかくしてしまいます。
確かに、柔らかな時計は、それだけでも不安をひき起こしますな。ほかの物は渦巻を掛けると笑える事が多いのに、確かに時計はチョッと違う感じを引き起こします。これぞダリ効果か。
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by ikuohasegawa | 2007-01-08 19:01 | Comments(0)

十や十五連休なんて目ではない。三百六十五連休が始まった私。


by ikuohasegawa