東山魁夷氏の『緑響く』だ。
ネタばらしをすることには賛否両論あろうが、この湖と見えるのは農業用溜池。大きな湖では対岸の水面は見えない。小さいが故に対岸の水面に映る木々が見える。
評論家的に言えば、白馬が描かれたことにより奥蓼科の風景は心象風景となり、なにやら神秘的な表情を見せる。
「緑響く」昭和57年の作。この年彼の描いた18作すべてに白い馬が現れるという。
自然界にはリズミカルな「繰り返し」と、アクセント「変化」がある。木々の並びがリズムを生み、湖面に映る影の木々が更にリズムを奏でる。そのなかのアクセントは白馬。絵の中で白馬は全身に自然の息吹を浴び、生き生きと輝く。彼は自分の姿を風景の中に感じ取った。なんて勝手な鑑賞を書いちゃいましたが果たして・・・・。
東山魁夷氏が昭和57年当時、苦悩していたのなら、白馬は苦悩し彷徨える氏の心象を現す。と訂正しますが・・・・。
残照は君津・鹿野山から見た九十九谷←