神長官と言うのは古代諏訪神社を祀る神官の長。守矢と言うのはその職を代々継いでいる守矢家。その守矢家に伝わる資料を保管するための資料館の設計者が藤森照信氏。
資料館であるから保存が主目的で資料の展示はほとんど無いから入館料も100円。まあ、古文書は展示されても私にはよく分からないから、もっぱら大事に保管されるのがよろしかろう。地方都市茅野の家並みの中、守矢家に隣接して待望のそれはあった。
諏訪大社の御柱に代表されるように、こちらの人は柱に対する意識は強いものがある。設計者・藤森照信氏は当地の生まれであるから、ココにも柱を建てた。守矢家古代の神長官と、更には神と交信する依りしろ(憑代)であるかのように軒を貫く柱を建てた。
特異な形ではあるが違和感はない。鉄平石の屋根・鉄筋コンクリートの上にサワラの手割板仕上げが懐かしさすら呼び起こす。ワラ入りモルタルの床、ワラ入り漆喰の壁・手ふきガラス・金具は打ち出しと工業製品を排して仕上げた内部は手を触れてみたくなるような温かみが感じられる。
素人が見るべき展示は無いに等しい地方都市の資料館なのに見学者が相当数有り、リピーターもいるという。
私もここへ来ただけで夏休み満足できた。
照ボ、やるじゃん。