ついでだけど、この手の高齢者用通販会社はなぜかG馬県S玉県が多い。
この『一度着たら くせになる』シャツは3枚組1万円。『エレガントな男を演出するジゴロシャツ』だからね。ジゴロと言えば若き日のアランドロンがはまり役。くわえタバコが様になっていた。銘柄はジタンだった。
ジゴロはヒモのことだけど、このセールスコピーの作者はこの社の創業者にして80ウン歳の名誉会長と見た。そうでなきゃジゴロなんて使わない。
他のラインナップは『いつでも重宝パンツ3本組・5980円』『ネコ背にさよならブラ3色組み・6980円』『・・・・2枚組』『・・・・8色組』とバンドルが多い。
試しに、Chiに、ジゴロシャツを小遣いで買うと言ってみた。「お願いだからやめて、もっと良いのを買って上げるから」と言下に否定された。
ということは、やはりもう少し上の年齢層がターゲットな訳だ。
私の父は通販を利用していたが、一般的に高齢者は通販には抵抗感があるように思うがどうなのだろう。
父は明治42年生まれだったが90歳位まで通販を利用しており、通販に抵抗感のない人だった。時折新しい物が増え、私は何も言いはしないのに『小遣いで買った』と口ぶりが言い訳じみていた。
純銀の御輪。チィーンというあれ。さすがに十何万円かの澄んだ音色がした。
水遣り不要の松の盆栽、「8万円の造花の松」と私が言うのを嫌がった。美術盆栽だそうだ。
毎30分で一点鐘、そして定時毎に大音量で鐘を鳴らす箱型の大形時計。その名もウエストミンスター。夜中に飛び起きる位の音量だとかで鳴らしたのは一日だけ。音停止にしてあったので私は聞いたことがない。石の置物、剥製もあった。
こういう類の物が多かったが、一番父らしいと思うのは2~3万円の掛け軸。なんでこんな安物を幾本もと思ったが、よくよく聞いてみると、絵を手直ししていた。
掛け軸の添削、そんな事有りかい。いいえ、父は絵描きでは有りません。元国鉄のサラリーマンで絵が気に入らなかっただけ。
気に入らなければ買わなきゃいいのに、また買って添削。それが楽しみだったのかもしれない。確かに高い絵だと描き込み出来ないけどねー。だけど、父親だから添削って言っていられるが子供がすれば落書きだよコレは。
ところでChi。もっと良いシャツはいつ買ってくれる?