製本&修理:スキル

620) 東京タワーのノド割れを修理

Chiが留守の家に一人いて小雨が篠つくと寒さが身にしみる。

と書きはじめたが気になって【篠つく】を調べた。
【篠つく】篠竹を束ねたものが落ちてくるように、細いものが密に激しく飛んでくる。雨の激しく降るさまにいう。
雨が静かに降るさまの意で使うのは誤り。

Chiが留守の家に一人いて一週間になる。窓辺により小雨を眺めていると寒さが一層身にしむ。
おまけに今日は取りたててする予定も無い。時間つぶしに市民図書室へ行ってみた。
先日観光したせいもあって東京タワー(リリーフランキー著)が目に入る。手にすると運良く(?)壊れている。即座に借り出した。

まずジックリ診断し方針を決める。
クータを入れないタイトバック製本。表紙から数頁のところで頁が抜け落ちているが見返しで留まっている。背割れして緩んでおり寒冷紗で留まっている状態。緩みは見返しにまで及んでいる。背から裏表紙にかけてはしっかりしているが、つなぎ部分への糊入れ・ボンドで貼り付けるだけでは修理できないと判断。
620) 東京タワーのノド割れを修理_d0092767_16112623.jpg

あえて寒冷紗を切り、あえて背を外す。剥がれている見返し下へ寒冷紗を入れ背と表紙を固定しなおす。その際クータを入れて負荷が分散するようにする。
620) 東京タワーのノド割れを修理_d0092767_16114450.jpg


小修理で済む段階を数歩超えてしまっている。もう少し早く見つけ手当てをすればここまでしなくても修理できた。人間も本も、早期発見が肝要のようだ。

おかげさまで充実した日曜日の午後になった。





名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by ikuohasegawa | 2008-11-10 05:58 | 製本&修理:スキル | Comments(0)

十や十五連休なんて目ではない。三百六十五連休が始まった私。


by ikuohasegawa