繰り言 (くりごと)

673) ガタパーチャ

アンモナイトとガタパーチャをご存知か。

年末に我慢できない歯痛を起こし近所の歯科医院へ通院し始めた。
歯科医院での治療中は殆んど目を閉じている。目を開いても自分の口の中の患部は見えないし、治療中の先生や看護師さんと目が合ったとき、こちらが見つめていては治療し難くかろうから、ひたすら目を閉じて一人恐怖感と戦う時間を過ごす事になる。
その自分の目で進行中の事態を確認できない事が恐怖感を与えていると思う。

かつて通った歯科の中には「お口開けて下さい」と言って後は「今日はここまで」と二言で会話が終わる歯科医師もいた。
ししくら歯科医院並木診療室は「お口拡げます」「風をかけます」「綿をいれます」「少し削ります」「薬つけます」・・・と事前予告をして治療に当たってくれる。これが有難い。我が口中で何が進行していて、この後どんな事が起きるのか、どんな感触が接してくるのか予知できるので心穏やかに治療を受けられる。
ししくら歯科医院並木診療室

話を本題にもどす。
昨日型を採ってもらった。その型を写真を撮りたいと申し出て、話しているうちにアンモナイトとガタパーチャを思い起こした 。
科学少年であったころ、赤茶色い物質でアンモナイトの化石から型を取り、石膏を流し込んでレプリカをつくった。その赤茶色い物質がガタパーチャという名の樹脂であった。
673) ガタパーチャ_d0092767_20283914.jpg

医師に訊ねてみると歯の型を採るのはガタパーチャではないが、歯科で使用する根管充填材としてガタパーチャは存在する。ドウシテそんな事を?と驚き顔。
驚き顔と言っても顔が見えた分けではない。大きなマスクで顔の殆んどは覆われていて表情どころか街ですれ違っても分からないだろうから単なる比喩である。

そもそも歯型を写したいという申し出自体が尋常ではではないと自分でも思う。加えてガタパーチャなどという根管充填材名を知っていることも普通ではない。
更に「被せ物はクラウン・詰め物はインレイ」等と患者(私)が言えば、正真正銘の『怪しい患者』である。

先生は、この怪しい患者とは関係がこじれてはいけないと判断したのか、面白い!とノリよくふるまって頂いたのかは分からないが、前回型を採り完成している下の型まで写させて頂いた。おかげで目出度くブログのネタにする事ができた。有難たいことだ。

それでは、どなたもマジマジとは見たことがないモノをどうぞご覧下さい。
色つきの凹に石膏(?)を流し込み、凸の歯型ができる訳です。
673) ガタパーチャ_d0092767_17281278.jpg

最近はその気さえあればwebで どんな事でも調べられる。
「クラウン・インレイ」という歯科用語を知ったのは昨年5月詰め物が取れたときwebから学んだ。
その時のブログ作者不詳
Commented by ちょもこ at 2009-01-24 21:46 x
私もつい最近、同じ体験をしました。
樹脂を押し込む前に「熱いものを塗ります」との説明がありました。型をはがすための「離型剤」を塗ったのか思って、作業が終わってから技工士の方に聞いてみました。
そうではなくて、歯の細かい形状部分に流れ込みやすくした「流動性の良い」型剤との説明でした。本体の型剤との二重になるんですね。
もうひとつ、単純に疑問だったのは歯の形が逆テーパーになっていた場合、型剤を抜き取るときにひっかかりはしないのか?ということでした。
でも、型剤そのものに柔軟性があるので、それは考えなくてもいい、という返事でした。

歯科医で使っている機材や素材は私にとってもとても興味あるものです。
Commented by ikuohasegawa at 2009-01-25 06:27
そうか、写真のグリーンの物が「流動性の良い」型剤なのでしょうね。納得しました。

ベトナムからは無事お帰りのようで何よりです。それにしても行動多彩・範囲広域で・・・・・。
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by ikuohasegawa | 2009-01-16 20:21 | 繰り言 (くりごと) | Comments(2)

十や十五連休なんて目ではない。三百六十五連休が始まった私。


by ikuohasegawa