2017年 09月 16日 ( 1 )

4-234) 並四小本の修理 折シワの付いた本

並四小本の修理日。
「これどうしたらいいですか」とアドバイスを求められたのは、折りシワ。

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軽く水を含ませた・・・いつもはウエットティッシュくらいと言ういますが、この本は厚手のコート紙でなのでもう少し多目・・・ティッシュでシワの辺りに水分を与えます

つづいて、白紙を1ページごとに挟みます。
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余分の水分を吸収するためですが、本文への色移りを避けるため白紙を使います。
特にPCプリンターのヤレ紙はインクが水に溶けるので使ってはいけません。

この日は、シワの寄った除け者の模造紙を切って有効活用。
このままプレスした状態で乾かします。

3時間くらいで確認してもらうと、いい具合に折りシワが消えていました。
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完全に乾燥し切っていないので、新たな模造紙を挟み込んでプレスを続けます。
水を含んだ本にした訳ですから、時々、紙を交換しプレスしながら乾燥させます。

水分を吸収した白紙は乾燥させれば使えますが、綺麗な白紙をモッタイナイと思うような本なら、修理はしません。


関連して、折り込みページや飛び出す絵本も妙な折ジワが付くことが多い。

折り込みページのある「きょうりゅうのおおきさ」チャイルド社
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飛び出す絵本の「パパお月さまとって」偕成社 
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修理の手順を説明する前に作者、出版社に一言。
折り込むページは本文よりほんの少し小さめにするのが宜しい。
飛び出すページは、作者、出版社の思いもあろうが気をてらったアッと驚くような仕組みは避けたほうが宜しい。

大人でも、考えないと折り込めないような仕組みは、不特定多数の児童が繰り返し読む学校図書館の児童書として不適切だ。
意図を無視して畳み込んである絵本は幾冊もあるもの。

修復の手順は、まず水分を与え白紙を挟みプレスをしながら乾燥させる。時々、白紙を変えプレスし続けます。

場合によってはヨレヨレの小口や折り筋以外の箇所を薄手のブッカーで補強します。
※本文にブッカーを使うことは好ましくありませんが、ヨレヨレのページをしっかりするためのやむを得ぬ処置です。

場合によっては児童のつけた折すじを採用する場合もあります。
「パパお月さまとって」の場合はこんな按配です。
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作者の意図とは違いますが、児童の手によって合理的な折り方に修正?されていますからそれを尊重します。
近道できる「けもの道」が定着するようなものですね。









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by ikuohasegawa | 2017-09-16 04:15 | 製本&修理:スキル | Comments(4)