カテゴリ:製本&修理:ツール( 110 )

4-112) カルコってご存知ですか

その前の修理日に「カルコってご存知ですか」と聞かれて解らなかった。
説明を聞いて、あゝあれかと形は思い浮かんだ。


写真のヒョウタン型のものは線を引く大工道具・墨壷(すみつぼ)で、糸を結んである小物がカルコ。並べてあるのは各種カルコ。
d0092767_05550704.jpg
豊浦金物HPより

プレハブ工法が主流の現在は、ほとんどの材料は工場で一括生産し現場で大工さんが組み上げる。
一方、在来工法で建てる場合は角材・板くらいの木材を、建築現場(今は加工場かもしれない)で大工さんが寸法に合わせて加工する。その際、基準線やカットラインを引くのに、墨壷を活用する。

古来より、指矩(さしがね)、釿(ちょうな)と共に大工の三種の神器とされてきた墨壷なので、彫刻を施したりしていたが、現在の墨壷はカラフル。
d0092767_09295316.jpg

使い方は、材木の基準点に、糸を結んであるカルコを刺す。墨壷から引き出した糸をまっすぐに張る。糸をつまみあげて離し黒色の直線を引く。

そのカルコを頂いた。
一個は図書館置きの道具箱に入れ、二個を持ち帰った。
d0092767_14433516.jpg
我らは大工仕事をしないので黒線を引くためにカルコは使わない。
位置やカットラインの二点を印したりするとき使う。

鉛筆、目打ち、千枚通しは先が太い。針は細いが掴み難い。
そこで、カルコが役に立つ。

カルコの針は細いので綺麗に正確に位置を定めることができる。
カルコの柄は目打ちより小ぶりなので使い勝手が良い。

無ければ先へ進めないということはないが、あると便利な小物である。

欅の柄を、荏の油で磨きツヤを出した。
d0092767_17360785.jpg
活用させていただきます。








[PR]
by ikuohasegawa | 2017-05-14 04:15 | 製本&修理:ツール | Comments(7)

4-111)カッターナイフの替刃いろいろ

カッターナイフは切れ味を重視するものだが、本体のデザイン?使い勝手が気になるものだから十種類くらいのカッターナイフを所持している。
一方、刃はオルファの特專黒刃はよく切れると思う。
私のように普通より少し多く紙を切る程度の利用者でも、特專黒刃の切れ味の良さは実感できる。

しかし特專黒刃がよく切れるのは黒いからではない。
黒いのは、視覚的に差別化を図る事と錆びにくくするための表面処理・・・ポキポキこまめに折って使うので、錆びにくいことへの私の評価は低い・・・で、刃を鋭角に研磨してあるからよく切れるのである。
d0092767_05533909.jpg
オルファHPより


普通の方よりはカッターナイフに世話になるけれど、通常の刃の切れ味に特に文句はないし特專黒刃の切れ味には満足している。しかし、もう一段切れそうな替刃を見ると手が伸びる。

最近、KAI印の「職専 超鋭角刃」を見つけた。
d0092767_16324722.jpg
職専という命名はユーザーに内装職人を想定しているからのもの。

早速、比較してみた。

写真の上が 職專超鋭角刃。
中が 特專黒刃。
下が 通常の刃。
d0092767_10413869.jpg
見ての通り、職専超鋭角刃の研磨幅は特專黒刃を大きく越える。
刃の厚みは三種とも0.38mmということなので、刃の研磨幅が広い方が刃先角が鋭いことになる。
d0092767_16285973.jpg
KAI 印 HPの職専超鋭角刃には「刃先角度は8度」とあるが、オルファ社HPの特專黒刃には刃先角度の表記は無い。

特撰黒刃を手に入れたとき、通常刃に比べ切れ味のシャープなことに驚いた。 
そして今、KAI印の職専超鋭角刃を使ってみると使い始めの切れ味は最高。力を入れずともスーッと切れる。
しかし、刃のモチは特撰黒刃以上に良くない。刃のモチだけで言うなら通常刃が一番。

今日の結論
日常の生活使いなら、通常刃で十分。
趣味で紙を切る人なら特專黒刃。
切れ味を最優先する方はKAI印の職専超鋭角刃を折って更新しながら使う。日常使いには不向き。
ということでしょう。

ちなみに、チタンコートカッター替刃を、3M スコッチが販売している。
同社HPによると
刃先角度は、通常刃25度、鋭角刃20度、チタンコート刃18度ということです。
d0092767_16511953.jpg
チタンコートカッター替刃は買っても、眺めているだけになるだろうな。
ゴールドで美しいし、5枚で315円だからポキポキ12折りすると1折り5円25銭になるもの。

KAI印の「職専 超鋭角刃」は、50枚入りで662円だったので1折り1円10銭。


後刻追記

オルファの精密細工用「30度鋭角刃」は、刃の先端(切っ先)を30度にカットしている。
通常の刃は60度だから、かなり鋭い。
d0092767_08373746.jpg
オルファがHPに角度を記載するのは「30度鋭角刃」のみ。

一方、KAI印の「職専 超鋭角刃」は、刃を8度まで研磨している。
通常の刃は25度だから、かなり鋭い。

鋭角にしている個所が異なっているのです。







[PR]
by ikuohasegawa | 2017-05-13 04:13 | 製本&修理:ツール | Comments(4)

4-107)「オランテ」は プラス社の折らないカッター

事務機のプラスが折らないカッター「オランテ」を販売している。

Wikipediaによれば「カッターナイフは、交換可能な刃を持つ刃物の総称。明確な定義はない。紙を切るための道具として開発された」ということで、カッターナイフは折る刃式の刃物を指している訳ではない。

しかし、普通、カッターナイフと言えば折る刃式を思い浮かべるから、プラス社は折らないカッター「オランテ」と折らないことを強調している。

どんなものだろうと気になる。
“折るのが怖い” “折った刃が飛びケガをしそう” “刃の処分に困る”・・・そんな従来のカッターにつきものの悩みを解消。
カッターの刃は折って使うものという従来のイメージを覆す、新しいカッターの登場です。
d0092767_16225273.jpg
プラス株式会社HPより
ほほー、どんな工夫が。
折り目の線がない新開発の「長持ち加工刃」はサビに強い0.5mmの丈夫なステンレス刃で、折らなくても快適な切れ味が長く持続します。
凹凸表面加工と全面フッ素コートをかけ合わせることで、ガムテープなどによるベタつきを防止します。
ご家庭で、オフィスで、安全・快適に長くお使いいただけます。
それって、普通「ナイフ」って言うのじゃないかい。

カッターナイフを売っていないようないるようなプラス社としては、
“折るのが怖い”
“折った刃が飛びケガをしそう”
“刃の処分に困る” という消費者をターゲットに「折らないカッター オランテ」という名のナイフを売り込む訳だ。

「折らないカッター」と言われてもなあ。
新開発の「長持ち加工刃」はサビに強い0.5mmの丈夫なステンレス刃の替刃も用意しているので、Wikiの定義「カッターナイフは、交換可能な刃を持つ刃物」には適合する。
しかし、刃の形状(折り目は無いけれど)と、刃の交換、刃をスライドして出すことが「カッターナイフ」に似ているだけのような気がする。


その上、「折らないカッター オランテ」の用途は、
d0092767_16230002.jpg
プラス株式会社HPオランテより


荷物開梱、段ボール解体、プラ紐切断、あたりに照準を合わせているようだから、カッターナイフとカッターマットを使って用紙をカットする私は、端から対象外という商品のようだ。

昨年10月発売でしたが、あまり話題になっていないようです。

ちなみにオルファにもあります。
「折れ線なし替刃」
d0092767_17495528.jpg








[PR]
by ikuohasegawa | 2017-05-09 04:15 | 製本&修理:ツール | Comments(4)

4-78) ロータリーカッター&ピンキング刃を購入

オルファ セーフティ ロータリー カッターを購入。
グリップを握ったときだけ刃が出る安心設計。布や紙をはじめ、薄いゴムシート、フィルムなどの切りにくい素材も自在にカットできます。刃は直径45ミリ円形刃。別売の45ミリピンキング刃、45ミリウェーブ刃もセットできます。(オルファのHP)

カッターナイフで十分用が足りているから、動機はチョッと使ってみたいというだけのこと。
d0092767_18475271.jpg
あわせて買ったピンキング刃で切ると、カットラインがナミナミになる。
なにかに使えそう。
といっても、さしあたって思いついたのは豆本の小口をピンキングして、ナミナミ小口にするくらいのこと。

例によって、見たら欲しくなっただけ。
我が郷里ではこういう性向の人を「見るもの乞食」という。
もし乞食が差別用語だったらごめんなさい。でもまあ、自分自身の形容詞だから見逃してもらおう。

社名のオルファというのは「折る刃」からの命名だが、折る刃式カッターは1956年世界最初の発明だそうだ。

こんな写真を見つけました。
d0092767_18461864.jpg
販売某社のページでしたが出典不明になってしまいました。

ロータリーカッターはい1979年の発明品。

同社に感謝しております。普通の人よりカッターナイフの世話になっている身ですから。
今は古新聞をナミナミカットして切れ味に感心しております。

アマゾンから“お急ぎ便”でその日の夜にとどいてしまった。
JPだったけれど申し訳ないことをした。使うあてもないのにね。

アマゾンは“お急ぎ便”だけでなく“成り行き便”も選択できるようにすればいいのに。







[PR]
by ikuohasegawa | 2017-04-10 04:15 | 製本&修理:ツール | Comments(6)

4-64)忖度してシオリひも収納ボックスを作製

稀勢の里 優勝おめでとう。
新横綱稀勢の里が大関照ノ富士を本割と優勝決定戦で続けて下し、逆転で2場所連続2度目の優勝を果たした。新横綱の優勝は1995年初場所の貴乃花以来22年ぶりで戦後5人目。13日目に横綱日馬富士に敗れた際に左肩付近を痛めていた稀勢の里は、1敗の照ノ富士を1差で追っていた。本割では突き落としで下して13勝2敗で並び、優勝決定戦では小手投げで再び照ノ富士を退けた。
d0092767_18133585.jpg

小結 御嶽海は9勝6敗で勝ち越した。こちらもめでたい。

d0092767_17571167.jpg

それでは本題。
シオリひも収納ボックスを作った。
同ボックスに関しては以前にもテーマにしたが、この度は保土ヶ谷図書館の秘めた希望を忖度しての作製。
有ると便利、欲しいが口にできないという気配を察知しての忖度である。

世は忖度ばやり。
忖度することもあるし、忖度してくれることを期待することもある。


ということで、ダイソーにて「クッキング パック」と園芸用の「焼き杭」を購入。
80㎝の焼き杭を六等分して巻き芯とする。
フタには取り出し孔を六つあける。
フタに貼り付けた硬質発泡ゴムの小片にはスリットが入れてある。
d0092767_05250274.jpg
各色のシオリひもを芯材に巻いて端はテープで留めておく。
使う一本ずつを孔から出し、スリットに挟み保持しておく。
d0092767_19021080.jpg
一本を使い終われば、別のシオリひもを孔から出す。


通常、購入したシオリヒモは、こういう状態で届く。
d0092767_08135296.png

d0092767_08134849.jpg
このままでは使いづらいから忖度に応えた。
忖度の押し売りだったりして。







[PR]
by ikuohasegawa | 2017-03-27 04:16 | 製本&修理:ツール | Comments(7)

4-57)蝶ナットを楽に回す治具を作る

蝶ナットを強く締めたり弛めたりするのは、かなりの力業である。
高齢者や女性にとって苦手な作業だ。
指が痛くなるのだから若い方でも得意と言う人はいない。
d0092767_11520082.jpg
思い付きを形にした蝶ナット回しは「キッチリ締まって軽々弛む」と評価が高い。
d0092767_11344907.jpg

今般は木片をボンドG17で接着して作った。
d0092767_11375643.jpg
ボンドG17はコレ。
d0092767_12084102.jpg
ポンチ絵で材料の感じをつかんでもらおう。
d0092767_17520622.jpg
板を接着して手前の部分にできる隙間( )で蝶ナットを銜える。
はボルトが貫通するスペース。

蝶ナットを銜える上下の板は捻るとき力がかかるので、あまり薄いと割れる。ポンチ絵より厚目の材を使うこと。
全体サイズは少し大き目の方が使いやすいと思います。













[PR]
by ikuohasegawa | 2017-03-20 04:15 | 製本&修理:ツール | Comments(9)

4-29) 豆本用ボール紙を切る(固定治具)

豆本材料を準備している。

本文は製法上、サイズを同一にするのが難しいので出来上がり寸法はまちまちとなる。
したがって他の材料は少し大き目に用意しておき、本文との原物合わせでカットしてもらうことになる。

見返し用紙、表紙布などは薄いので切りやすいが、厄介なのは表紙の芯と背ボール。
豆本といえど厚さ2㎜のボール紙を使うので、それから30㎜×25㎜とか30㎜×10㎜を切り出すことになる。
d0092767_18275468.jpg
かつて考案した「ボール紙カット定規」は役立つけれど、豆本用のボール紙を切り出す場面では使い難い。
厚さ2㎜だとカッターナイフを数回引くことになるが、対象が小さいので定規で押さえたとき安定しない。カットラインから定規が浮くこともある。


豆本用ボール紙固定治具を作った。
固定治具といっても、ボウル紙をL型に切り欠いただけ。

使用時には材料を治具の切り欠いた部分にセットし、固定治具ごと定規でおさえる。
d0092767_18420444.jpg
切り欠き部には補強のためボンドを塗ったから色が違う。

これなら、小さいボール紙もしっかり固定出来て正しくカットできる。

もの作りは、こういう余計な手間が面白いわけで、聞いた人はそれほど面白くない。




追記:まるえさん
「ボウル紙をどのように治具に取り付けたか知りたいです。
取りつけず、ボウル紙に治具を乗せて使っている?」


この場合、治具と言っているのは「切り欠いたボール紙」そのもののことです。どこにも取り付けません。

定規の裏には滑り止めが付いているので、定規を裏反してカットライン(黄色)にあて定規を押さえると、治具もボール紙小片もズレなくなる。
d0092767_10521328.jpg
カットするボール紙が小さいので、普通に押さえると定規のカットラインが浮きやすい。
また、手前に滑り止めを配しても(図の左)カットラインが浮きやすい。
d0092767_11550661.jpg

「切り欠いたボール紙」を治具として使えば、ボール紙カット定規と小片は安定する。ということです。








[PR]
by ikuohasegawa | 2017-02-19 04:15 | 製本&修理:ツール | Comments(7)

4-24) 手作り製本機をDIYしないで調達する

手作り製本機といえば、アイデア工房の製品。
特許を取得し工場生産の本格的製品。
d0092767_07032759.jpg
世にある多くの手作り製本機は、本機をもって嚆矢とす。
というか、手作り製本をしているオヤジ連は似たようなことを考えつく。それを工夫改良し本格的製品にしたのは唯一これだけだと思う。
私も愛用している。手作り製本時の使い勝手は配慮が行き届いていて頗る良い。しかし修理だけなら過剰備品。
価格は確か1万3千円くらいと高額なので、二の足を踏んだDIY族は手作りに向かう。

ぶなブナ考(※ママ)房氏。
d0092767_07033406.jpg
よく似ている。
アイデア工房の木製判というところ。これも販売しています。4000円くらい。


mpapa63氏。
d0092767_07033121.jpg

頂いて小学校に配備している SK口氏の労作。
d0092767_15342652.jpg
最近、推奨しているのはこれ。
d0092767_15342983.jpg
これなら、DIY女子・大工オヤジは残念がるだろうが、工作は要らない。
また、グルグルグルグル回さないで締めることができるのが良い。

直立させ下部を締めるアルミクイックバイスは1500円凸凹。(Amazonに1000円の高儀アルミバイスが11個ありました。)
クイックバークランプ は1本2~300円を2本。
挟む板 2枚。

【注意事項】
両端を締めたとき、湾曲しない板を選ぶ。
普通の板なら、そこそこの厚みがある板(上の写真の位置で縦目は避ける)もしくは集成材やMDF材など。
d0092767_15574396.jpg
ホームメイキングHPより








[PR]
by ikuohasegawa | 2017-02-14 04:15 | 製本&修理:ツール | Comments(4)

4-16)平綴じ穴あけ冶具 二台目

自作の平綴じ穴あけ冶具は磯子図書館に配備したので、並四小本の修理で必要になるときは持ち帰って使っている。
d0092767_09521981.jpg
磯子図書館へは私物貸与という状況なので持ち出しに問題はないが、それでも「持ち出します」とことわりを入れる。
しかし「私の作だ。私の物だ」という気持ちもあるから、面倒に感じる。なにより運搬が厄介だ。

何回か往復したが、やはり二台目を作ることにした。

まず、HCで材料を調達。
d0092767_06485184.jpg
工作としては穴をあけるだけ。

おっと、電動ドリルは本の修理講習のため保土ヶ谷図書館に送り出してある。
工作をするのはしばらく先のことになる。









[PR]
by ikuohasegawa | 2017-02-06 04:15 | 製本&修理:ツール | Comments(4)

3-914) 学校図書館 本の修理講座②&(ミゾ押さえ板)

磯子図書館主催、学校図書館本の修理講座 初級②

先回、ボンドが乾くまで開いてはいけないと禁じたので、まず、講座初級①でそれぞれが修理した箇所の確認。
キッチリと修理できており、皆さんご満悦。
d0092767_14443418.jpg
この日は、見返しのど際の破れ、背表紙の天地の破損、しおりヒモの取り換え、善意のセロテープ修理の処置などを実習。



講座終了後、断裁機でボール紙(2㎜)を50枚カット。
d0092767_16173630.jpg
修理後、のど元を圧着するときに竹ひごを使うことは普通の手順だが、竹ひごを板に貼ると格段に使い勝手がよくなる。
木の板でなくとも、厚さ2㎜以上ならボール紙でOK。竹ひごの接着はテープ類で。

来春、初めて修理講座を実施する保土ヶ谷図書館用の準備を、できるときに少しずつ進めている。












[PR]
by ikuohasegawa | 2016-10-26 04:15 | 製本&修理:ツール | Comments(2)