製本&修理:関連

2-263) 本の切り取りは犯罪だ

一ヶ月ほど前の話で現物はすでに書架に戻り貸し出されているが、宮城谷昌光著・楽毅【がっき】第四巻のページが破り取られ、修理に持ち込まれた。

他の市立図書館から借り出した同一書を、SK口さんが両面コピーしたところで引き継いだが実は本から両面コピーをとるというのが結構難しいことなのだ。
まず原稿のセット方向と裏面コピー時の用紙の方向などを正しくセットするのが厄介。その前に同色の書籍用紙を準備しなくてはならない。さぞかしご苦労されたことであろう。

【 修理前 】
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本のノドに破りとられた頁の残片が残っている。簡単に引き受けてしまったが作戦が立て難い。しばらくアレコレと思案した。頁の残片を切り取ってしまうと折丁の相棒も外れてしまうし・・・・。
そうだ。
残片は『糊しろ』として生かし、カットしないことに決めた。

前後の頁を汚さぬように養生し残片に糊ボンドを塗り、新ページを貼り付けしばらくプレスしておく。
2-263)  本の切り取りは犯罪だ_d0092767_9233240.jpg

更に残片の無い部分にも糊ボンドを入れ、サイズをあわせてカットし終了。上手くいったのではないかな。

修理後そのページを読んでみたが、ページを切り取るのに万が一理由があるとしても、私にはごく普通のページで理由は推測できなかった。

結局、心を病んだ者の鬱憤の捌け口にされたか、心の奥に潜む悪魔の所業なのだろう。
2-263)  本の切り取りは犯罪だ_d0092767_10201469.jpg

『万引きは犯罪です』などというポスターや呼びかけを見るけど、図書館の本を毀損するのもイタズラではなく犯罪だ。
Commented by I島 at 2010-08-18 09:00 x
う~ん、なぜそんなことを?
って、世の中、そんなことはいっぱいあるんですかね。

でもでも、こんな修理も出来てしまうってすごいですね
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by ikuohasegawa | 2010-08-18 05:07 | 製本&修理:関連 | Comments(1)

十や十五連休なんて目ではない。三百六十五連休が始まった私。


by ikuohasegawa