製本&修理:関連

2-559) コピーで壊れる本

図書館の本を修理していると、コピーによる壊れがかなりある。
読み物をコピーする人はいないが、洋裁の型紙、手芸の図面、折紙の手順書、料理のレシピ本などは多くの人がコピーをとる。その結果、コピー機に水平になるまで無理に押さえつけられ、本の割れが発生している。

本にしてみれば、力士でもないのに股割を強制され、背中を押されるようなものだ。
2-559) コピーで壊れる本_d0092767_15444485.jpg

挙句の果てに、本はバラバラになって修理に回ってくる。力士なら休場である。

そうした本は概して単票に両面印刷をして、背を固めたような本が多いので、割れると修理は極めてやりがいのあるものになる。その修理を嫌がっているわけではなく、それはそれで面白い修理なのだが何とかならぬものかとは思う。

コピーされることを前提にした本のレイアウトを思いついた。
何のことはない、ノド近い部分をコピーするためにグイッと押し付けるのだから、ノドに近い部分の余白をグイッと広くしておけばよいではないか。
2-559) コピーで壊れる本_d0092767_1643436.jpg

出来ればその余白に 
押さえつけなくてもコピーできます 
と表示すれば尚良い。押さえつけなくてもコピーできるようにしておけば本が壊れないのは道理だろう。
どこかの出版社で採用して欲しい。

もう少しアカデミックというかハイテクな対策も考えた。
コピー機の読み取り面に透明な山型のアクリル製アジャスターをセットする。
2-559) コピーで壊れる本_d0092767_16475338.jpg

この上に本を伏せコピー開始。山形アジャスターの全面にピントを合わせることぐらい、今の技術なら訳なくできるだろう。
どこかのコピー機会社でこのアイデアを採用しないだろうか。
いずれのアイデアも無料公開中。

ついでだが本型のストラップを作った。
2-559) コピーで壊れる本_d0092767_733588.jpg


小さい豆本を作った後だから、あまり小さいとは思えないなー。

追記:8時45分 セミの初鳴き聞こゆ。






Commented by まるえ at 2011-07-26 08:16 x
以前に開きやすい本っていう本を持っていた気がします。広開本?この話を読んでそんな本があったと家の本棚を探したけど見つかりません。地図本か料理本か学習参考書か、綴じ方に工夫があった気がします。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by ikuohasegawa | 2011-07-25 05:04 | 製本&修理:関連 | Comments(1)

十や十五連休なんて目ではない。三百六十五連休が始まった私。


by ikuohasegawa