「清廉潔白」の「廉」で知っているつもりだったが「廉」にこんな用法があったとは。
「一廉(ひとかど)」の意味は、
1、一つの事柄。一つの分野。2、ひときわ優れていること。いっかど。 3、人や物が名前に恥じない能力や内容をもつこと。一人前。
さらに漢語新辞典「廉」を見ると、
①いさぎよい・清く正しい。②やすい・価がやすい。
“安い”という意味の熟語には、廉価・廉売・低廉などがあるが、①と②の意味の関連が素直につかみきれない。利に心が動かぬ人がつける価格は高くないのだろうと、何となく納得。
“心が清らか”という意味の熟語は見慣れないものが並んでいる。中に「廉士」という熟語があるが、安売り王かと思ってしまう。
知っていたようでもあり、知らなかったようでもあるのが廉恥。
私は、「破廉恥」は「ハレンチ」として認識していたが、「廉恥」という語が有っての「破廉恥」であることには思いがいたらなかった。【廉恥】心が清らかで、恥を知る心が強いこと。
やはり知らなかったというべきだろうなー。
【廉直】となると、①正直で、曲がったことをしない。②やすい値段。やすね、安値。廉価。
またしても、いきなりの①&②なのだが、正直で、曲がったことをしない人がつける価格は廉価。と納得しておく。
だけど、当節は「廉価」ばかりが目に付く。世に一廉の人物がいなくなり、物価下落のご時勢だから、「廉価」ばかりが目に付くのか。