重箱の隅をつつく

2-772) 例える

メッセージを伝える時、そのメッセージに加えて比喩を使うと分かりやすくなる。関係性の説明などでは、「AとBの関係はCとDの関係のようなものだ」と伝えることで、分かりやすい説明になる。

それでは
野田佳彦首相は24日の都内での講演で、TPP交渉参加を検討している日本の立場を、英人気ロックバンドのメンバーに例えて説明、政府の方針に理解を求めた。
 「環太平洋連携協定(TPP)はビートルズだ」。

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「TPPはビートルズだ」というのは、意外性という意味で〝つかみ〟としては満点。
その後で「なるほど!」と思わせれば、うける。名演説になる可能性を秘めている。

展開に期待が高まる。

首相は「日本はポール・マッカートニーだ。ポールのいないビートルズはあり得ない」と強調。その上で「米国はジョン・レノンだ。この2人がきちっとハーモニーしなければいけない」と述べ、日本の交渉参加への決意を重ねて示した。 

「なんのこっちゃ」と思ってしまったら、主題のTPPはそっちのけ。意識は突っ込みに向いてしまう。
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米国はジョン・レノン?彼は英国人だろう。米国だったら、エルビスプレスリーじゃないのかい。
それに、ジョン・レノンは日本人オノヨーコがからんでからポールと仲たがいして、ビートルズは解散した。
TPPの将来を、解散まで織り込んで暗喩しているとなると、野田首相は比喩の達人なのだけど、そんなことはなさそうだ。

比喩の天才、師・赤瀬川原平のお言葉を引いて稿を閉じる、
人間だから、生きていれば何か言いたいことがある。でも論理が展開できない。頭の知識はカラだ。すると言いたいことが頭というより体からじかに、ものを伝わって出てくる。「それはたとえば・・・・」となってくるのが比喩である。論理ではなく、現物から現物への、一種の物々交換。
(比喩は稲妻である)
 

上質の比喩はこの境地から誕生する。
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by ikuohasegawa | 2012-03-26 05:57 | 重箱の隅をつつく | Comments(0)

十や十五連休なんて目ではない。三百六十五連休が始まった私。


by ikuohasegawa