みらい【味蕾】
脊椎動物の味覚の受容器。主に舌の上面に存在。味細胞と支持細胞からなる花の蕾(つぼみ)状の微小な器官。ヒトでは約一万個あるといわれ、甘・酸・苦・塩の味をそれぞれ別個の味蕾が受容する。
牛タンを食べて美味いと感じるのは人の舌の〝味蕾〟だけど、牛が美味さを感じていた舌を食べるのだから、タンを食べて私の舌が美味いと感じるのは、当然のような気がする。
タンはともかく〝舌代〟というのを飲食店の価格表で見ることがある。
どういう意味なのだろう。
〝しただい〟と読むなら、料理の美味さや味で舌で感じるから、その料理の代金を舌代といったのだろう。
どうしても牛タンが出てきてしまうが、牛タン屋だと〝舌代〟はタンの代金のことだと思ってしまうが、そうすると他の部位でロースだと〝肩代〟とか書かねばならぬ。
よく分からないので、新明解のお世話になった。〝 した だい 〟では無く〝ぜつ だい〟であった。
ぜつだい 【舌代】 口上の代わりに書いた挨拶文。
舌に代わって文字で表すという意味だとすると、舌の持ち主である主人が来て挨拶すべきところを、書き物で代えるという事だから、次の用法が正しい事になる。
価格表の〝舌代〟は、「主人が来て挨拶すべきところを書き物で代え、更にそれも略して申し訳ないが、お値段は・・・・」という感じだな。
また、代わりの人が口上を述べると、〝代舌〟といいそうな気がするが、そうは言わない。代打があるのだからあってもよさそうに思う。
この代打も、代打ちというと、代理で賭博等を行うことになってしまう。
それはさておき、舌には味覚以外にも「発音する」という重要な働きがあり、「舌先三寸」「舌の根も乾かぬうちに」「舌ったらず」などのように、口と同様に「言葉の代名詞」のように使われることがある。
英語のRとLの発音は舌の巻き具合が違うと教えられたが、私は上手くできなかった。友人の上手な発音を聞いて舌を巻いた。
どうして、舌を巻くと感心することになるのだろう。