重箱の隅をつつく

3-475) 沖ノ鳥島で死亡事故

 沖ノ鳥島で死亡事故が起きた。亡くなられた方のご冥福を祈る。

 こんな背(重心)の高いものは転覆もあるだろう。と素人は思う。(写真は国土交通省関東地方整備局)
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 各紙報じているなかで、毎日新聞の記事がひっかかる。  

 毎日新聞社 2014年3月31日(赤文字は私が違和感を抱いた個所)
「国益」の孤島で犠牲 本格捜査は1日以降
 東京都心から南約1700キロ、日本最南端の沖ノ鳥島(東京都小笠原村)で、例のない悲惨な事故が起きた。港湾整備工事のため運搬されてきた巨大な桟橋がひっくり返り、乗っていた作業員が海に投げ出されて、5人が死亡し、2人が行方不明になった。国の権益を守るための「最前線の現場」で、安全性確保はどうなっていたのか。絶海の孤島での捜索はしばらくの間、上空からに限られ、困難を強いられている。【河津啓介、岡礼子、五十嵐和大】


 国の権益を守るための「最前線の現場」で、安全性確保はどうなっていたのか。って、いったい誰を糾弾しているのか。毎日の記者は頗るお怒りのようで、受注した会社の事故なのに、徴用された民間人が事故死したかのような書き様である。

 この工事を発注したのは国土交通省関東地方整備局。入札を経て五洋建設、新日鉄住金エンジニアリング、東亜建設工業の3社の共同企業体(JV)が受注した。

 発注者は「安全管理も含めての発注であるから、事故は極めて遺憾だ」と言うだろう。また、受注民間3社に言うにしては〝国の権益を守るための「最前線の現場」で〟が余分のような気がする。 普通の道路工事でも電気工事でも『安全性確保』は第一要件なのだから。

 比較のために朝日新聞の記事
海の権益をめぐる国の巨大事業で、5人が死亡、2人が行方不明となった。30日午前7時半ごろ、日本最南端の沖ノ鳥島(東京都小笠原村)の港湾整備事業で、設置作業中の桟橋がひっくり返り、作業員16人が投げ出された。助かった9人中、4人も軽傷。海底資源と、独占的に漁業や資源開発ができる排他的経済水域(EEZ)の維持をめざし、中国も意識した「国策工事」での事故だった。

 ついでに記すが、事故後の責任追求表現としては『安全性確保』ではなく、『安全確保』と明確に表記すべきだと思う。




安全性とは、安全の度合いのこと。
安全は、危険がないこと、被害(有形・無形を問わず)を受ける可能性がないことである。
Commented by saheizi-inokori at 2014-04-01 09:47
国益を守るための原発、オリンピック関連工事、、その辺の溝浚いも国益確保なんでしょうに。
戦争だけが国益をまもるために安全を犠牲にします。
こんどの工事はそれに近い前線なんでしょうか。
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by ikuohasegawa | 2014-04-01 09:14 | 重箱の隅をつつく | Comments(1)

十や十五連休なんて目ではない。三百六十五連休が始まった私。


by ikuohasegawa