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3-448) 綴じ糸について学ぶ

先の例会の折、糸綴じに初挑戦する方から糸について聞かれた。

「当手作り製本の会で使っている綴じ糸はシャッペの30番もしくは製本用麻糸の30番」と聞き覚えていることを説明した。

しかし、私はシャッペの30番と製本用麻糸の30番は、太さが違うことに気にしているので、しっくりしない。

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写真の一本では大した差ではないが、これが20以上もの折丁の中に一本ずつ入って20数本が集まると結構な差になる。

ただ、シャッペの30番は近場の手芸用品売場で入手できるが、麻糸の30番は製本専門店になる。そのためシャッペの利用者がほとんどであるから、疑問を投げ掛けられたことはない。
けれど 、この際、糸を学ぶことにした。

長時間ウロウロしそうなので不審者誤認を防ぐため、Chiに同行を願い出て佐久平のクラフトパークという手芸用品屋へ。
そこで実物を検証し教えを乞うた。それにWeb検索の結果を加えて記す。
しかし、「と聞いた」とか 「とのこと」は略す。

シャッペというのは糸メーカー フジックスの商品名。英語schappeの訳は絹紡糸 。自信の合繊糸に絹のようなという意味でシャッペと命名したのではないか。

かねて承知のとおり極細90番から60番30番へと糸は太くなっていく。
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フジックスHPより


繊維のタイプによってフィラメント(長繊維)糸とスパン(短繊維)糸がある。
フィラメント糸の特徴は光沢があり美しく、なめらかで丈夫。
スパン糸の特徴はソフトな風合いで、毛羽があり布なじみがよい。ということは毛羽だつ?

原料によって 絹、綿、ポリエステル、ナイロンなどがあり特性は様々。
「静電気は?」と聞いて、当方の用途(本の綴じ)と絡まることを話したら「用意するのが面倒なのでついついやっちゃうんですがね」と前置きし

「ミシン糸で手縫いをすると絡みやすい。違いは縒りの向き」
※【縒り】は【撚り】とも書きます。
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右より、左より、これは耳より。思わぬ情報。

あれこれ検索してみたが、残念なことに手縫い糸は50番60番の細い糸しかない。ボタン糸なら20番30番がある。
ボタンは一般的には手縫いだからボタン糸は太い手縫い糸ということになるが、確認はとれていない。

さらに、ミシン糸は下記の綿番手、麻糸は麻番手という基準なので、同じ番号でも太さが異なるのは当然だった。

綿番手:1ポンド(453.6g)当たりの長さ(単位840ヤード=768m):(1ポンドで長さが840ヤードあれば1番手

麻番手:1ポンド(453. 6g)当たりの長さ(単位300ヤード=274m):(1ポンドで長さが300ヤードあれば1番手

毛番手(=メートル番手):1kg当たりの長さ(単位1km)

カタン番手:ミシン糸の太さの単位。綿番手と同じ定義。カタンはコットン由来。

大変参考になりました。 生地屋さんのHP

今回はここまで。


まるえさん、だいたい合っているでしょうかねえ。





フジックスHPより
通常、手縫糸は右撚り(S撚り)、ミシン糸は左撚り(Z撚り)になっています。
手縫いでもミシン縫いでも縫製をしているうちに縫い糸には自然に撚りがかかります。縫製時に、糸の撚りと逆方向に撚りがかかると縫い糸の撚りが戻り、ミシンでは糸切れや目飛び、手縫いではちりつきやもつれの原因となってしまうため、フジックスでは縫製時に撚りが戻らないように、手縫糸とミシン糸では撚りの方向を変える工夫しています。

ですので手縫いの時には手縫糸、ミシン縫いの時にはミシン糸というように、用途に合った糸を選びましょう。

しかし、ミシン糸を手縫いに使ってはいけないということではありません。手縫いに使用するときは、ミシン糸を短めに切って縫うとちりつきやもつれが起こりにくくなります。

ちりつき?
by ikuohasegawa | 2015-07-20 04:31 | 製本&修理:マテリアル | Comments(3)
Commented by まるえ at 2015-07-20 22:38 x
撚りの違いは気にせずに使っています。
本来は手縫い糸ですべきところをズルしているのですから、「撚れてうまくいかなくて当然だけどまあ、いいっか。」いう感じで万能フジックス60番手ミシン糸を何にでも使ってます。
35年前、ウール物は絹糸の手縫い糸でかがり縫いをしていました。
木綿布の場合は、当時、あれっ、どうしていたんでしょう??
ズルしてミシン糸で手縫い部分も使ってもう30年です。

ボタン糸はミシン糸とZ撚りのようです。
また、左利きに人はZ撚りの糸を手縫いで使っても撚りが戻らないそうです。

「ちりつき」という言葉は聞いたことがありません。たぶん、よれてねじれてたわむような状態ですね。

シャッペの30番だと製本に使うには柔らかくないでしょうか。
手芸糸よりもホームセンターで簡単に入手できるよう糸があるといいですね。
Commented by ikuohasegawa at 2015-07-21 06:11
まるえさん
1m位で綴じるので、どうしてもよじれてコブになります。ロウを使うのですが・・・。
やはり、ちりつきは聞いたことありませんか。
HCも、そういう目で探して見ます。
Commented by ikuohasegawa at 2015-07-21 07:16
まるえさん
1m位の糸で綴じるので、どうしてもよじれてコブになります。ロウを使うのですが・・・。

やはり、ちりつきは聞いたことありませんか。

HCも、そういう目で探して見ます。
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