今年の賀状に鳥獣戯画の猿を借用した。
Wikipediaによると
鳥獣人物戯画(ちょうじゅうじんぶつぎが)は、高山寺に伝わる紙本墨画の絵巻物の国宝。鳥獣戯画とも呼ばれる。現在の構成は、甲・乙・丙・丁と呼ばれる全4巻からなる。内容は当時の世相を反映して動物や人物を戯画的に描いたもので、鳴呼絵※more(おこえ)に始まる戯画の集大成といえる。
特にウサギ、カエル、サルなどが擬人化して描かれた甲巻が非常に有名である。
借用したのは、何やら荷物を運んでいる絵柄。
この猿は人相?が良くないとは思ったが時間的制約があったので、そのまま賀状に仕上げて投函した。
暇になって調べてみると、案の定この猿は盗人であった。
盗品を担いで立ち去る場面だったのだ。
よくよく見ると、この猿だけではない。
次の場面(11~16紙)の猿は兎や蛙たちに追われている。
Wikipediaの解説によると、
走って逃げる猿の犯人と、それを追跡する兎・蛙の検非違使/仰向けにひっくり返った蛙(喧嘩の被害者か)と心配して声をかける兎・蛙、「何ごとか」と振り向く狐の一家。ということになる。
他にも、兎、蛙から貢物を受け取る悪徳僧正役もサル。
どうやら鳥獣戯画に登場する猿の役回りは、すべて悪党のようだ。
年賀状に・・・参ったなあ。
添え書きが救いということにしてもらおう。
暴力サルは危ないから追わず。
盗人サルや悪徳僧正サルは来て欲しくない。
暴力猿も盗人猿も悪徳僧正猿もサル。とりあえずめでたいということで。
鳴呼絵(Wikipedia)
記紀に「ヲコ」もしくは「ウコ」として登場し、「袁許」「于古」の字が当てられる。平安時代には「烏滸」「尾籠」「嗚呼」などの当て字が登場した。
平安時代には散楽、特に物真似や滑稽な仕草を含んだ歌舞やそれを演じる人を指すようになった。後に散楽は「猿楽」として寺社や民間に入り、その中でも多くの烏滸芸が演じられたことが、『新猿楽記』に描かれている。『今昔物語集』(巻28)や『古今著聞集』など、平安・鎌倉時代の説話集には烏滸話と呼ばれる滑稽譚が載せられている。また、嗚呼絵(おこえ)と呼ばれる絵画も盛んに描かれ、『鳥獣戯画』や『放屁合戦絵巻』がその代表的な作品である。