製本&修理:スキル

3-684)ゾロリ10冊を平綴じ修理

福田刃物工業所から断裁機の刃が研ぎ上がってきた。
図書館女子職員に代わって、使用頻度の高い私ら(S口氏と)が着装。

断裁機の刃は私の知っている刃物のなかで最も切れる。断裁するときも触れれば切れるから注意は必要だが、刃をセットするときはさらに危険だ。
鋭いことは勿論だが重いので刃は常に押してくるから。
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革の作業手袋をして慎重に取り付け、怪我なく終了。


広告用紙を試し切り。
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切れ味復活。


この日の修理は、かいけつゾロリが10冊。
症状はページ外れ・・・というより「折丁外れ」
過去にボンド接着で修理してあるが、そことは別の折丁が外れての再修理。図書館からの依頼も「平綴じでお願いします」

まず、折丁の欠落が無いかチェック。
ノンブルは連続している。ストーリーはつながっているからOK。

まず、外れた折丁を元に戻す。ボンドを付けさし込む。

見返しをめくり起こして、本文のノド際から4-5㎜内側に穴をあける。
10冊あるからどんどんあける。
最初の穴は端(端は天地側から本の歪みを確認しやすい)。本の歪みを正して、それをキープしながら慎重にあける。その穴に目打を刺し固定する。
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2穴目は最初の穴とは反対側の端に、同じく本の歪みを正して、それをキープしながら慎重にあける。ここも目打で固定する。この手順ですると残りの穴があけやすくなる。


続いて製本用綴じ糸(太)で平綴じ。10冊あるからドンドン綴じたい。
思いついてクリップで本文を挟み立ててみた。
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針は右から左、左から右へ運針できるので綴じやすくなった。

剥がした見返しを貼り戻して終了。
おっとその前に、他に傷みは無いかチェック。

ノドの緩みが3冊、背の天の壊れとセロテープ本を各1冊発見。









Commented by ikemoto04lp at 2016-03-11 11:09
文章を読んでいるだけで、切れ味の凄さが伝わってきて震えが来ます。
 ところで、研ぎはどこにお願いするのですか?
Commented by ikuohasegawa at 2016-03-11 19:10
アルチュさん
福田刃物工業所が研いでくれます。
本文、文頭にリンク付きで入れました。
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by ikuohasegawa | 2016-03-11 04:55 | 製本&修理:スキル | Comments(2)

十や十五連休なんて目ではない。三百六十五連休が始まった私。


by ikuohasegawa