鍵コメントさんから
<質問です>
百科事典系の、糸綴じの、大判で重い本の解体後ですが、背固め、接着方法では何を注意していらっしゃいますか?
接着剤には、ボンド原液、澱粉糊混合、ホットメルトシートなどがあると思います。
ページの重さ(こどもが読む実用書として、吊り下げ、開きやひっぱり等でノドにかかる負荷)に耐える接着方法は何か?という観点です。「掲載情報が古くなるもの」と「写真集の類」では、使う接着剤は変わりますか?
大判で重い本の解体後の、背固め、接着方法は目下のところBIボンドのみです。
お尋ねの主旨は、「市販本に使われているホットメルトを修理に使えば、強固な修理ができるのではないか。使ったことあるか」と解釈して進めます。
ホットメルトを製本や修理で使ったことはありません。ホットメルトグルーガンを工作用に使ったことはありますが。
調べていくとホットメルト接着材にはEVA系とPUR系があり、その特性や差は
石塚産業HPでご覧ください。
その中で修理者の関心を引く部分は以下のとおり。
PUR系は
丈夫なフィルムと強力な接着性能を持ち合わせていますので従来のEVA系ホットメルト形接着剤に比べ1冊当たりの塗布量をかなり少なくすることが可能です。その結果、本の見開きがよくなる・・・ 。
余談ですが上記を証明する写真を見つけました。
※写真は取り込みましたが再度行きつくことができず、出典は不明です。また、撮影時期もわかりませんので現状と異なる場合があります。
使ったことのないホットメルト話題なので逡巡していたが、この写真を見つけて「これを見せたい」と、やる気がでた。
EVA系ホットメルトにて製本の少年〇〇〇〇
PUR系ホットメルトにて製本の少年〇○〇〇
確かに「本の見開き」に差がある。
耐用回数・年数は不明だが、PUR系ホットメルトは凄い。
しかし、ホットメルト製本は専用の製本マシンで適温をキープしておかねばならぬ。特にPUR系に至っては空気を完全に遮断した反応形ホットメルト専用の溶解装置が必要とある。個人では無理だね。
個人が使えるホットメルト製本機「とじ太くん」等もあるが、こどもが読む実用書として、吊り下げ、開きやひっぱり等でノドにかかる負荷に耐えるかどうかは検証できなかった。
ホットメルト製本機以外にも、ホットメルトシートやチップをアイロン溶解して背を固める製本も見つけたが、強度、耐用年数は不明。
使ったことがないので、返事が遅れた上こんな程度で申し訳ありません。
おかげで勉強になりました。
大型本のクータなど
・大型本の本文重量に耐えるように大型本のクータを寒冷紗で作ることもあります。幅広の寒冷紗がなければ、しっかり目のキャラコでも可。
・クータや寒冷紗はしっかり圧着させましょう。
・また、強固に接着するためにボンドを厚目に塗りますが、一度に厚塗りすると乾燥に時間がかかります。薄く塗って乾かし、薄く塗って乾かしを繰り返す方が早く乾燥します。
・辞典など表紙材がビニール?などのものは、見返し接着に「ビニール用ボンド」を使います。