製本&修理:ツール

3-802) 表紙角修理用ゲージを作る

来週、信州へ立つ前に修理中の本は何としてでも仕上げねばならぬ。
一か月中断では申し訳ないし、何より気になってゆっくりできない。
仕掛り中の池波正太郎大成 第1巻を仕上げに図書館へ出向いた。

ついでに、平綴じ穴あけ治具を持参。
3-802) 表紙角修理用ゲージを作る     _d0092767_17382027.jpg
池波正太郎大成 第1巻は厚さ5cmという大冊。背の中ほど二ヶ所がパックリ割れていた。
前回、背を出してノコギリの切れ目を入れ、タコ糸を埋め寒冷紗を貼っておいたのでクータを貼り表紙に戻した。

プレスして乾くのを待っている間に、手帳のポンチ絵を見て工作。
3-802) 表紙角修理用ゲージを作る     _d0092767_14412095.jpg
二つを貼り合わせゲージにする。

二個作ったので表と裏の記念写真。
3-802) 表紙角修理用ゲージを作る     _d0092767_15224946.jpg
★は補強部分。これが無いと楽に作れるのだけど壊れやすいからねえ。


うまくできた。

ブッカーをかけていない小学校の本は、表紙角の傷みが多い。
修理としては、傷みをボンドで固め布テープや製本テープを貼るが、そのテープのサイズと貼る位置決めが難しい。それを容易にする角修理用テープゲージ完成。




ゲージの使い方

まず、剥離している角のボール紙をボンドで固める。

重要:初めに見返しの角をめくり起こす。(最後にボンドで貼る)

図書館の本はブッカーをかけてある(角も傷まない)から、見返しはめくれないので過去記事から転載。
こんな感じ。
3-802) 表紙角修理用ゲージを作る     _d0092767_06301635.jpg

【 ゲージの使い方 】
ゲージを修理する角に当て、テープを下に滑り込ませる。
注:テープは写真用に大きめにカットしてあるが、ゲージのサイズ(30㎜×50㎜)でOK。
3-802) 表紙角修理用ゲージを作る     _d0092767_14405334.jpg

ゲージに沿ってカットする。
3-802) 表紙角修理用ゲージを作る     _d0092767_14405609.jpg
ゲージを外すと
3-802) 表紙角修理用ゲージを作る     _d0092767_14410097.jpg
裏紙の一部をはがして元の位置に貼る。(ちょっと右へずれた)
3-802) 表紙角修理用ゲージを作る     _d0092767_14410328.jpg
裏紙を除き、テープを折る。
注:角の頂点部分は少し大きめにしてあるのでキチンと折り込む。
3-802) 表紙角修理用ゲージを作る     _d0092767_14410696.jpg
もう一方も
3-802) 表紙角修理用ゲージを作る     _d0092767_14411007.jpg
※この後、テープはきれいに剥がし元通りにしました。


最初にめくった見返しを貼り戻すと、テープが見返しの下に隠れます。
3-802) 表紙角修理用ゲージを作る     _d0092767_06301635.jpg



Commented by nicoru1nicoru2 at 2016-07-07 05:45
あと付けの「(頁の角を折るという意味ではなく、製本用語の)ドッグイヤー」というものですね。

治具の名前はありますか? 「パピヨンイヤー」など候補に入れてください。
Commented at 2016-07-07 05:52
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ikuohasegawa at 2016-07-07 06:45
古武士ヒロ君
「ドッグイヤー」初めて知りました。
ページの角折りは、自分の本でもしませんね。

2リットル後、出勤?

Commented by nicoru1nicoru2 at 2016-07-07 08:01
まさか。通院です。
今1リットルで、2回しゃがみました。
Commented by ikuohasegawa at 2016-07-07 09:00
古武士ヒロ君
頑張っているとおもうけれど、がんばれ!
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by ikuohasegawa | 2016-07-07 05:00 | 製本&修理:ツール | Comments(5)

十や十五連休なんて目ではない。三百六十五連休が始まった私。


by ikuohasegawa