二人のお姉さまからの課題。
「一生懸命と一所懸命の違い」
今のご時世、調べて分からぬことはない。
その上でのこのご下問は、拙がどう答えるか試験のようなものだ。
まずは型どおり新明解を引く。
かつては「一所懸命」ということを覚えていたので、そちらから
【一所懸命】〔武士が〕昔、只一か所の領地を死守して生活の頼りとしたこと。⇒一生懸命
これだけではよくわからないが「死守して」だから、必死にすることを表すのだろう。
続いて
【一生懸命】〔「一所懸命」の長呼〕「懸命」の強調表現
【懸命】力の限りを尽くしてがんばること。
力の限りを尽くしてがんばることを強調するのだから、並みや大抵のことでは一生懸命 などと言えない。
(あぐりの湯から見る浅間山)
限りを尽くした先なんてあるものか。
新明解なのだから
【一生懸命】〔「一所懸命」の長呼〕
一生は「懸命」の単なる枕詞で意味はない。くらいは書いてほしい。
「一所」「一生 」どちらを使っても誤りではないが、現在は一生懸命が主流とのこと。
イッショからの連想なのだが、現役の頃は、それこそ「一社懸命」あるいは、後輩仲間と「一緒懸命」。
どうも座布団狙いが見え見えだなあ。
今は「懸命」などということはない。
息切れしちゃうから「力の限りを尽くしてがんばる」ではなく「力の限りを心得てがんばる」ときには「力の限りを知って諦める」だね。
試験の結果はどんなもんでしょうか。
それから、新明解のいう「長呼」とは
【長呼】「披露」を「ヒロウ」と言う等、発音の便宜上一音節の語に母音を添えて発音すること。
「イッショ懸命」⇒「イッショウ懸命」なるほど、それに「一生」をあてたのだ。