言葉

3-819) 海野宿で学んだ正字と俗字

海野宿の昇國館富士屋。
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看板を見ても、すんなりとは読めず意味も解らなかった。
「ショウコクカンフジヤ」ではなく上の小さい字です。
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業種は○種製造業であり、○児飼育所、○種製造所だ。

立ちどまって睨んだ末、○児・・・○コ、さらに飼育と製造で目星をつけた。○はカイコ=蚕と見当をつける。
間違いないと思うけれど帰宅後確認。
あの看板の崩し字は漢和辞典にあった。【 蠶 】だ。
看板の○の、日の下に二つ並ぶ「冘(のようなもの)」は虫の崩しなのだ。

私は蚕=カイコと目星をつけ当たったけれど、目星がつけられなかったら【 蠶 】 の崩し字は、どういう手順で調べることになるのだろうか。

それではやってみよう。

まず部首だが書き看板の崩し文字から部首・虫は導きだせない。
ならば総画索引 。
手書きで崩してあるので二十数画くらいしか解らない。
二十画から順に見ていき二十六画の「蠶」に類似性を見いだす。 多分これだ。

本文を開くと「蠶」は俗字とある。なんと。

普通は複雑で難しい正字を簡略化して俗字となる。(國→国)
「蚕」は特別なようで、俗字の方が画数の多い難字である。
往時の人々の、蚕・・・天から賜った虫なのだけれど・・・更なる蚕への敬いにも似た思いが難俗字を生んだのだ。というとロマンチックだ。

でもなあ、蠶には「漢音・サン、呉音・ザン」という字音も表示してあるので蠶が旧字体だろうな。

海野宿で見た○は、蠶の崩し字で蚕でした。







Commented at 2016-07-24 04:49
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by nicoru1nicoru2 at 2016-07-24 04:59
父祖重代の本家筋は、俗字で名乗っていたのを、嫌って正字で便りを出しています。
反応はありません。
一族郎党、何百何千人が一斉に正字で名乗るのはむつかしいかも。
Commented by ikuohasegawa at 2016-07-24 05:43
鍵コメントさん
サンキュー。このタブレットで写真を配してから文字を入力すると「誤字」が「g誤字」、「校正」が「k校正」と出てしまいます。吃音症なのかなあ。
Commented by ikuohasegawa at 2016-07-24 05:46
古武士ヒロくん
そういえば、あなたは学生の時から名字は正字を書いていましたね。
Commented by ikemoto04lp at 2016-07-24 07:08
場所が場所だけに、これは割と簡単に察しがつきますね。
Commented by ikuohasegawa at 2016-07-24 08:12
アルチュさん
簡単に察しがついたではネタになりませんからねえ。多少ああだこうだ言わせてもらいます。
Commented by saheizi-inokori at 2016-07-24 10:03
楽しい字学、ありがとう。
Commented by 広島の郁夫です at 2016-07-24 15:08 x
気温が低く涼しいと周りのちょっと気になるから、フムフムへと興味をつなげられるのでしょうか。連日30度を超す西日本では気になるより午後は横になっております。
Commented by reikogogogo at 2016-07-24 16:49
漢字の話題、面白い !
私の名前「ネ豊」が読めない人が多いのです。
先日も炉端ーーー炉が爐
主婦の1人が炉の字が違うという、新潟の友人が「いろり」
と読むのと教えてくれた、新潟のご実家は今でも、爐端(炉端)を
囲んでお酒を飲み集うという、話題。
Commented by ikuohasegawa at 2016-07-24 17:28
Saheiziさん
「楽しい」言っていただき嬉しいです。
Commented by ikuohasegawa at 2016-07-24 17:32
広島の郁夫さん
今日(24日)はひさしぶりに暑いと言える日でした。
Commented by ikuohasegawa at 2016-07-24 17:39
Reikogogogoさん
漢字の話題は好きです。
面白いと言っていただくとまたはりきります。
そういえば、炉端オーナー私室の写真にも爐の字の書がありましたね。拝見しております。
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by ikuohasegawa | 2016-07-24 04:16 | 言葉 | Comments(12)

十や十五連休なんて目ではない。三百六十五連休が始まった私。


by ikuohasegawa