図書館は、本が返却された時にチェックし破損本を選び出す。
借りた人を疑っているのではなく、カウンター業務の空き時間を利用して破損の確認をしているのだ。書架から破損本を選び出すという業務は無い。
したがって、利用(貸出し返却)が少ないと修理する本は少なくなる。
修理する本が極めて少ない日があった。
せっかくの修理日なので、書架に行き要修理本を探した。
狙いを定めたのは人気作家の文芸書。
幾冊かを見つけ出した後、松本清張全集(1971年刊)の一冊を手に取るとグズッとした感じ。
全集(50冊以上ある)のうち22冊の見返しノド際がゆるんでいた。しめた。これだ。
PCで検索した人が予約を入れると厄介なので、一旦「行方不明」扱いに指定しなおして修理に回した。
その日の修理分をまかなえる冊数だと思ったが、10冊に手をつけないまま終了してしまった。
10冊分の大きく抜けた松本清張全集の書架が埋まるのは約3週間後になる。
それまで放置しておくことは、選び出した責任上できないから臨時修理にでかけた。
竹ひごにボンドを付けて、ゆるんだノド際にグルグル。
クリップでミゾを押さえ圧着。
欠落したりシオリひも、途中で切れたシオリひもを交換。
翌日には書架に戻せます。
これにて「行方不明」の指定解除。